2016年5月6日金曜日

NPのロビー・デー@州議会 その2

5/4の記事のつづき。

州議事堂の階段をNPで埋め尽くしたセレモニーのあと、まず、Aさんの住んでいる地区の下院議員Bさんの部屋に行った。実はAさんの息子さんがこのB議員と友達だったとかで、よく知った関係らしい。というわけで、まずは手短に近況のおしゃべり。

それからAさんは、ペンシルバニア州法で決められている NPと医師とのcollaborative agreement (協力関係を記す文書)が 特に医療資源の乏しい地域でいかに制約になっているか、そしてこれを改めてNPが 協力医を指定しなくても仕事ができるようにすることで州民にどのような利益があるかを説明。

ここで念のため説明するが、NPは今までのこれからも医師はじめ他の医療者と常に協力関係にあるし、適宜相談したり専門家に送りあったりしている。ただし、書類上で協力医ーNPの関係が義務化されていると、協力医がいない イコール NPとして働けない、ということになる。要は、日本の助産師が嘱託医がないと開業できないという状況に似ている。

また、ペンシルバニア州では、Prescriptive Authorityといって、薬を処方するための契約を協力医と交わしておかないと、薬の処方ができない。州のNP免許とともに、この処方権も2年に一回お金を払って更新する。

合間合間に、一緒に出向いた小芋含む3人が、それぞれの経験した例などを提示。

B議員のところにも、医師の団体からの盛んな圧力があるようで、われわれが話をしに行ったからといって、簡単に「はい、はい」ということはない。われわれが強調したのは、州民がどのように困っているか、同様の状況にあった他州でNPがより独立して働けるように州法を改正したことで、住民の医療にいかにベネフィットがあったか、など。(すでに20州+DCで、NP の full practice authority がある。)だいたい30分くらい話して退散した。

その次は、ベテランNP、Cさんの住む地区のD議員に会いにいった。ちょうど会議中だったため、秘書がそっと会議に入っていき、D議員は合間をぬってわれわれに会ってくれた。なにせ時間が限られていたので、小芋が出る幕はなかったが、D議員はCさんが毎年来ていることをよく覚えていて、こちらの意図を理解するに苦労はなかったもよう。だからといって、法案にすぐ賛成してくれるわけではなく、ここでも、彼らが医師会の圧力を受けてることを感じた。

ちなみに、小芋には選挙権がないが、いちおう議員とのアポイントメントを取っておいた。が、あいにくその時間がピッツバーグに帰るバスの出発時間よりあとだったので、資料だけを秘書に預けに行った。

帰りは約3時間半かけて、無事ピッツバーグに到着。道中、ベテランNPや、まもなく卒業間近のNP学生と知り合えてよかった。精神科医ナースの2人は、精神科医が慢性的に不足している地方の出身で、2人して2時間半かけて毎週1回大学院に通い、4年の歳月を経て、まもなく晴れてDoctor of Nursing Practice という博士号を獲得すると言った。(彼女たちは看護学士から直接DNP のコースで学んでいた。)

彼女たちに、卒業後スムーズに協力医が見つかるとよい。願わくば、州法改正が日の目を見て、協力医の手続きをしなくてもNPとして働けるようになると、もっと良い。



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