2011年8月31日水曜日

職業訓練センターへのアウトリーチ活動

もやし作りに夢中(?)になっているなんて書くと、まるで仕事に励んでいないように誤解されるといけないので、仕事の話も書こう。

先週はピッツバーグ近郊の、経済的に貧しいある町にある、こじんまりとした職業訓練センターにちょろっとでかけた。目的は、①われわれのような組織でもメディカルアシスタントの実習を受けていることを紹介することと、②職業訓練や就職活動のさなかでも女性健診を欠かさずうけることが大事だと伝えること。

無職で収入がない状態のときに、自己負担で健康保険に入るという選択肢はあるが、無保険をえらぶ(というかそれ以外にどうしようもないことも多々ある)人は少なくない。すぐ就職または再就職できて、新しい雇用主が健康保険をまかなってくれればいいが、たとえ就職できても、残念ながら必ずしも健康保険がついてくるとはかぎらない。

そういう状況の中、別に体調が悪いわけでもないのに、わざわざ女性健診に行こう思えるか、といったら、とても難しい。

健診をうけることのメリット、逆に受けないことで見逃してしまうかもしれない問題、さらには経済的に厳しい状況のなかでも健診を受けるためにどういった助成制度があるかといった情報をつたえた。

このセッションには10人が予約していたそうだが、就職が決まったり、就職面接が入ったりして来られなかった人もいて、結局参加者は3人だけだった。。。

早速その日の昼休み、聴衆だった女性がふらりとオフィスに現れた。もちろん予約をしてたわけではなく、私はちょうど弁当箱のふたを開けたところだったが、「いまからお弁当なので、出直してきてください。」なんていうのはあまりに忍びない。問診表など初診時に書いてもらう紙類を取り出して、記入してもらった。その間に弁当をかき込み、診察準備を整えた。

この日1日だけでみると、「たった」3人の人に30-40分話して(私ともう1人のスタッフで)、そのうちたった1人「だけ」が診察を受けにオフィスを訪れた、というにすぎない。ねがわくば、この3人の方々が、今回の経験を本人だけにとどめず、お友達や家族にも伝えて、1人でも多くの人にわれわれの存在が知ってもらえるといい。

スプラウト作り

随分長いことやっていなかったのだが、以前Yさんにもらったビンと特別なふた(ザルのように穴があいている)で最近スプラウトをよく作っている。写真は緑豆(左の軽量カップに入っているのが元の豆)から作ったもやし。ほかにクローバーと大根の種でも。大根の種からは、りっぱな貝割れ大根ができる。

私のアパートは3階かつ最上階なので、つい最近まで日中むちゃ室温が高かった。ブロッコリーの種で挑戦したら、発芽してまもなく腐ってしまいそれっきりブロッコリーの種は放置してたけど、最近涼しくなってきたので、またやってみよう。

とても成長がはやいので、3-4日でここまで育つ。育ったものをどう食べるか考えておかないと、大量のスプラウトと格闘することになる。この前ある程度育った貝割れ大根を冷蔵庫のなかに入れておいたら、冷蔵庫のなかでもゆっくり成長しつづけるので、食べても食べてもなかなかなくならず、結局味噌汁の具にしてカサを減らして食べた。それはそれでおいしかった。

買う野菜を全部オーガニックのものに使用とすると、すごく費用がかさんでしまうが、スプラウト作り用に売られている種を買って自分で育てると、わりと安価で一品増やせる。1日2-3度面倒を見る(水ですすぐ)必要があるので、ちょっとペットを飼っているような感覚にもなる。

2011年8月29日月曜日

パイレーツ初観戦

もう10日も前のことになってしまったが、ピッツバーグ・パイレーツ 対 シンシナティー・レッズ の試合を観戦した。何を隠そう、PNC Park に入るのは今回が初めて。去年10回以上も観戦したという野球好きの友達の引率。この日、昼間からまるで台風のように大雨が降り、4時過ぎてもなお厚い雲の下どしゃ降りが続いていたが、運よく雨が上がった。

川向こうのダウンタウンが美しく見えるよう、うまいことスタジアムが建っている。
予定より遅れて8時近くに始まった試合は、11時44分に終了。確か11-8で負けたけど、楽しめたのでよし。

2011年8月28日日曜日

Vivaldi のコンチェルト

縁あって、Vivaldi が作曲した2つのバイオリンとチェロのためのコンチェルト (D Minor) を演奏する機会に恵まれた。最初はバイオリン2本とキーボードの3人で演奏する予定だったが、チェロを弾いてくれる人が現れ、さらにビオラ1人とバイオリン2人が今日になって加わり、最終的には本来の室内楽の姿に近い編成で演奏できた。超贅沢な機会。

友人の家の裏庭で開かれたコンサートで、演奏に耳を熱心に傾ける人もいれば、ぜんぜん聞いていない子どもたちや大人もいて、それでもぜんぜんOKというかんじの環境。

私が使っている楽器は、バイオリン工房から月々17ドルで借りているもので、去年作られた極めて若い楽器なのだが、最近はけっこう鳴るようになってきている。弓のほうは相変わらず。(なんて偉そうにいう前に自分の技術をなんとかせい、って。)結局のところやっぱり素人演奏なんだが、お客さんのなかには「ピッツバーグ・シンフォニー(ピッツバーグのプロのオーケストラ)で弾いていらっしゃるんですか?」なんて後で言ってくる方があった。あるわけないでしょーーー。

Vivaldiのほかには『浜辺の歌』といった日本の歌も3つやった。キーボードの伴奏で美空ひばりの『川の流れのように』のソロもやった。こういう聞いたことのあるメロディーを喜んでくれる方もあった。

私はバイオリンの練習自体は嫌いなので(子どものときもさぼりまくり)、何ヶ月でも何年でも楽器を弾かなくても別にさみしくならない。でも今回のようなアンサンブルは楽しいし、合奏するという目標があると、練習する気がわく。仲間のおかげ。

ストレスや悩み事は尽きないが、最近は走ることや音楽やることが、自分にとっていわば健康的な麻薬(?)になってる。これはよく言えば気分転換だが、逃避ともいえる。だがたとえ逃避でも、一瞬忘れて違うことに没頭すると、気力体力が意外とよみがえってくるので不思議だ。

2011年8月27日土曜日

森の中の5kmレース終了

Run Around the Square という名の1500人規模のローカルなレースに参加した。最初の1キロちょっとは落ち着いた住宅地を走り、残りはFrick Park という、ま、公園というか森の中を走るコース。ラスト1kmくらいになったときに脇腹が痛くなってしまい、それをかばいながら走り続けたので、今回の記録はよろしくない(29分ちょい)できだったが、大いに楽しんだ。

面白かったこと その1。
沿道のあちこちで、いろいろな音楽を演奏してくれる人たちがいた。ゴールするまでの間にバイオリンを弾いている人計3-4人、チェロ1人、カリブのスチールドラムの2人組、エレキギターとドラムセットの2人組、サキスフォーンも計3人ぐらい、そして最後にはバグパイプを吹いてくれている人に出会った。森の中の坂道って、結構きついのだが、こういう応援があると、たとえ一瞬であれかなり気分がなごんだ。

面白かったこと その2。
ゴールの先のテントに、茶色い炭酸飲料があり、なにやらおいしそうだな、と思って近づいていったら、それはなんとビールだった! (私は飲まなかったよ。)ちなみに黒ビールもあった。
それ以外の差し入れには、
バナナ
りんご
プレッツェル
チョコレートミルク
レーズンパン
ホットドッグ  
シャーベット  があった。たった5km 走って、これだけのものをもし全部口にしたとしたら、せっかく消費したエネルギーを簡単にオーバーするであろう。あ、全部食べないって?

変わったところでは、カーネーションもあった。これは食べられないが、なかなか粋な差し入れだと思った。

この大会、今回が29回目だとのこと。地元企業や地元ボランティアの手厚いサポートのおかげで、とてもいい思いをさせてもらった。地元の人にとても愛されている大会という印象をうけた。

1.5 マイルの Fun Run/Walk という部門もあり、こちらは犬を連れたり、ベビーカーを押しながらの参加もOKだとのこと。というわけで、赤ちゃんとママは1.5マイル部門、パパと年上の子どもは5km部門、というようにして家族で参加している人もいた。

2011年8月21日日曜日

帰ってきたアジア人

8月も下旬に入り、私が住んでいるこの界隈のアジア人人口がぐっと増えた感じ。そろそろ大学の新学期が始まるので、それに備えて帰ってきた(やってきた)のだろう。目立つのは、特にインド人と中国人。

入ってくる人がいる分、どこか他へ引っ越していく人もいるわけで、最近いろいろといいゴミ、いや宝が落ちている。先日はキャスターつきのいい椅子を拾った。その前に Craigslist (インターネットの掲示板)で見つけた5ドルの椅子を購入したばかりだったが、このゴミ椅子のほうが立派である。私が椅子を選んでいる間に(選ぶほどあった)、マットレスを運んでいく人の姿もあった。

まめな人は、先ほど述べた Craigslist 上で引越しセールを展開したり、Goodwill や Salvation Army のようなチャリティーのリサイクルショップに不用品を持っていくが、そういう余裕のない人は、ゴミを大量に出すので、とてももったいない。捨てるときはきれいに並べておいておいてくれると、拾うほうも拾いやすいが、グシャグシャに秩序なく捨てられていると、拾いようがない。

家族もちなど物の多い人たちだと、ガレージセールやヤードセールをするひともいる。もしとても暇だったら、こういうセールを毎週こまめに回ると、少ない出費でかなり質のいい生活雑貨・家具がそろうこと請け合い。

2011年8月16日火曜日

健診から遠ざかっている人を引き込む

週1回、ダウンタウンからそう遠くない某町の診療所にスタッフ1人と一緒に行っている。診察室1個の小さなオフィスで、「支所」というかんじ。ここはわりと貧しい地区。先週はほかのスタッフも加わって、Walk-in Health Services Day というポスターとテーブルを道に出し、道行く人々にチラシや小さなプレゼントを渡すキャンペーンを3時間ほどやった。(その前に、普段どおりの診察数人と、合間に窓の大掃除をした。窓がよみがえった。)

その3時間の間に、何年も婦人科健診から遠のいていた女性を2人診察した。ほかにも診察の予約を4-5人取り付けた。

そのうちの1人が今週みえた。患者さんいわく、先週道ばたでわれわれの姿を一度見ていたので、それが安心感になったのだそうだ。この患者さんも、婦人科健診はひさびさであった。

こういうキャンペーンをすると、通常の日ほどの診察数(ここは10人前後。ただしドタキャンが続く日もあり。)は不可能なので、その日だけでみると、採算はぜんぜんあわない。むしろ、町の人たちがわれわれの姿をみたり、チラシを手にしたりして、またそこから口コミでさらに話が広まっていくことを期待しての投資活動といえる。

きっかけはなんであれ、健診を受けていない人を引き込んでくることが、子宮頸がんの予防だけでなく予防的活動の出発点。ダウンタウンのオフィスは幸いにぎわって忙しくしているが、こちら(支所)のほうも、まだまだ新規患者さんの掘り起こし次第では、もっと忙しくなるとおもう。ビジネス的には、どんどん忙しくなったほうがいいけど、あんまり忙しくなると今みたいにじっくりかかわれなくなるので、個人的にはほどほどを希望。(笑)

ところで、ここの建物の外装の傷みがずっと放置されている。これは大家さんの怠慢だけでなくて、そういう外見でも「ま、いいか。」とさほど気にしない(?)この地区の文化かなにかの影響が多いような気がする。外装は直せないけど、せめて窓だけでもきれいに、と1人奮闘してみた次第。自己満足かもしれないが。

2011年8月15日月曜日

歯周専門医 Dr C

今日は4ヶ月に1度の歯科受診でDr Cのオフィスに行った。管理がとてもよいと褒められた。いぇい! 

Dr Cのオフィスは遠くて、はるばる行く、という感じなのだが、とても行く甲斐がある。歯と歯茎のことだけでなくて、人生の話まで含めてカウンセリングしてしまうような歯周専門医。二十歳になるより前にお見合い結婚してアメリカに渡り、そこから歯周専門医になったDr C。

私がおなじアジア出身ということで(といってもDr Cは南アジア出身、私は東アジア出身で、遠いといえば遠い)、ひときわ大事にしてくれているのかもしれない。

2011年8月14日日曜日

映画『バットマン』シリーズ撮影

最近ピッツバーグでは、バットマン3作目の The Dark Knight Rises の撮影が続いている。この8月の暑い中で、雪(もどき?)を降らせて、冬の場面の風景を撮ったりなども。私の友達は、Heinz Field (フットボール場)で観客のエキストラを先日しに行った。ダウンタウンやオークランド(大学がたくさんある地区)の大きな通りも通行止めにして撮影したりして、かなり大掛かりである。交通渋滞には閉口するが、来年夏の映画公開は楽しみ。

興味のある方は、こちらで写真をどうぞ。
http://www.post-gazette.com/pg/11213/1164435-60.stm


2011年8月9日火曜日

NPカーリーとの会話

私が休みを取ったりカンファレンスに行っていて不在になるとき、カーリー(仮名)というナースプラクティショナー(NP)がよく代診に来てくれている。これまで、NPの研修会などで年に1-2回顔を合わせるほかは、彼女に会う機会がなかなかなかった。が、彼女のカルテの記述や、私に残してくれるメモの適切さなどにいつも感銘を受けてきたので、思い切ってお茶に誘った。

というわけで、今日はじめて彼女とじっくり話したのだが、まるでずっと前から知っている友達のような心地よさで、仕事のことから家族のことまで、いろいろな話ができた。彼女は同じ組織内の診療所各地に行ったことがあって、また他の病院や在宅の環境でも働いたことがあって、そういう一つ一つの話がとても刺激的だった。私とは親子ほどに歳が離れているけど、ぜんぜん偉ぶらない、非常に話しやすい人だった。カルテの記述から受けるわたしの印象は間違ってなかった。

今日の会話の最後のほうは、最近話題の裸足で履くタイプのランニングシューズのことでもちきりだった。ちょうど、買ったけど微妙にきつくてはいていない裸足タイプの靴があるということで、サイズ的には私が履けそうなので、早速こんど試してみることになった。彼女も9月の Great Race に出るとのこと。

2011年8月8日月曜日

保険適応避妊薬の減少

今日付けで、ペンシルバニア州の医療扶助系健康保険がカバーしてくれる避妊薬の選択肢がせばまった。州財政が厳しい中、高いブランド薬よりジェネリック薬を使うように、ということならよくわかるのだが、いまいち理解に苦しむ部分がある。

Lo Ovral というピルのジェネリック薬、Lo Ogestrel を使っていた患者さんのかかりつけ薬局から、Prior Authorization Request がファックスで来た。これは保険が積極的にカバーしない薬をあえて処方したい場合に、事前に保険会社に申請書を出して、特別にカバーしてもらえるように頼む手続きのことである。申請にあたっては、この薬が好きだから続けさせてよ、とかいった理由ではだめで、医学上これでなきゃいかん、というまっとうな理由がないと、なかなか認められない。

Lo Ovral は今回の改訂でも保険でカバーされる対象薬になっていたので、ましてそのジェネリック薬である Lo Ogestrel は当然カバーされるはずである(と思った)。おかしいな、と思って薬剤師に電話をした。 薬剤師曰くLo Ogestrel ではシステム上拒否されてしまうと。じゃあ、試しにブランド薬の Lo Ovral と入力してみてください、と頼んだら、これがなんと通った。なんじゃそりゃ。

で、保険が認めてくれたはいいけど、ブランド Lo Ovral はその薬局の在庫にないので、即注文します、と薬剤師。

通常、処方する側がブランド名を処方箋に書いても、「要ブランド」と指定していない限り、薬剤師の判断でジェネリック薬に置き換えてよい。だから、私がLo Ovral とした処方を、薬剤師がLo Ogestrel とか Cryselle で置き換えるわけ。

今後 Lo Ovral を処方するときは、いちいち”Brand necessary”と書かなくてはいかんのか? へんだ。州に問い合わせるべきか。たぶん。でもどこの窓口に?

2011年8月6日土曜日

走るっきゃない

5km, 10km レースに申し込み、走り込みを開始してから2週間が経過。だいぶ心地よく走れるようになってきた。大きな公園のなかの小路を走るのはとても気持ちよい。古い家々を見物しながら走るのも楽しい。走っている人、犬や赤ちゃんと散歩している人がそこここにいるので、ひとりで走っていても浮かなくてよい。

仕事のストレス、将来の悩み、とかいろいろ考え出すとキリがない。袋小路に入って、よい考えは浮かばない。走っている間だけは negative thinking の悪循環から抜け出せるので、よろしい。キャリアの目標、人生の目標にむけては、期間が長期戦であるため、ともすると無力感にさいなまれる。けど3週間後と7週間後のレースに関しては十分達成可能な目標なので、がんばれる。

2011年8月5日金曜日

避妊薬を保険でカバーするか

ピッツバーグではUniversity of Pittsburgh Medical Center が、この辺の医療界および健康保険業にかなりの影響力を持っている。しかしながら、同じUPMC系病院でも、もともとカトリックの病院だったある病院に勤めている患者さんは、その病院が従業員の避妊薬をカバーしない方針であるため、自己負担で避妊薬を支払っている、なんてことがある。UPMC系の健康保険を持っているのに、である。

最近アメリカの医療制度改革の議論の中で、健康保険は避妊薬の自己負担をなしにするようにする決まりを作る方向になってきていた。この患者さんもこの政策で助かるな、と思って私は喜んだ。が、ここへ来て、宗派の教えとして避妊はけしからんと考えている宗教関係組織の場合、従業員の健康保険プランに避妊薬をカバーする義務を負わなくてもよろしい、とする修正案がでてきてしまっているようだ。

http://www.nationalpartnership.org/site/News2?abbr=daily4_&page=NewsArticle&id=29868&security=1521&news_iv_ctrl=-1

勤め先の考え方次第で、避妊薬がカバーされないなんてことが許されるのは、とても残念だ。たとえばカトリック系の病院に勤めているからといって、スタッフがみなカトリックの信仰を持っているわけではないし、たとえカトリックでも避妊への考え方には個人による違いもあろうに。

避妊は女性や子どもの健康に直結する非常に大事なことだ。経済的状況にかかわらず、必要なひとに必要な避妊方法がゆきわたるよう、政策決定者にはよく考えてもらいたい。(とりあえずメールで国会議員に意見する。)

2011年8月1日月曜日

たった2回の常連さん

Sさんという患者さん、今度西海岸に引っ越すのだという。「せっかくここ(診療所)が好きになったのに、引っ越すのは残念です。」ととてもさみしそうに言う。ここはスタッフみんながナイスですごく気に入っていたのに、と。

この言葉からするともう何年も通っている常連さんの発言のようだが、Sさんが我がオフィスに来たのは、初診とこの日と合わせてたったの2回だった。なんでも、我がオフィスに来る前に、あちこちいろんなところに行かれていたようではある。

Sさんの言葉をスタッフみんなに伝えた。うまくいえないけど、こういう患者さんのコメントに元気をもらう。

患者さんの中には、異常検査結果や精密検査の必要性を伝えるために何回電話しても手紙を出しても連絡が取れなくて、 lost to follow-up (フォローアップお手上げ状態)になる患者さんや、何らかの理由で「もうここには来ません!」と去っていく患者さんもやはりある。

でもSさんのようにポジティブな経験をされた患者さんもいるのだ、と思うと、日々、一人ひとりの患者さんとともにベストを尽くしていこうやないの、と気合を入れなおす次第。