2010年10月28日木曜日

手の届く価格の薬を処方すべく

保険に入っていなかったり、保険はあるけど処方薬のカバーがない(もしくは制限がいろいろある)患者さんに薬を処方する際、薬の値段が患者さんが買える範囲のものかどうかというのは治療のために欠かせない情報だ。処方箋を渡しても、それが使われなけば、単なる紙くずと化す。

大手スーパーや全国的に展開する薬局 などで安く手に入る薬を一覧表にしてくれたものを見つけた。http://www.gahec.org/pharmupd/Discount%20Rx%20List%20Aug%202010.pdf

これ以外には地元スーパーの無料抗生剤リスト http://www.gianteagle.com/media/content/giant%20eagle/rx%20-%20pharmacy/pages/free-antibiotics-list.pdf、$4.00の薬のリストなども活用している。http://www.gianteagle.com/Main/PharmacyDrugProgram.aspx?cntid=182262 (州を選ぶと薬の一覧が見られる)

で、これらのリストにはない薬で処方したいものがあるとき、かつ保険でカバーされるか不安で確認したいとき、個々の保険会社のホームページからformulary(カバーしている薬のリスト) を探し出して調べるのは常々面倒だと思ってきた。

そんな中、先日行ったカンファレンスでこのウェブサイトを紹介された。
http://www.fingertipformulary.com/

州を選び、薬品名を選び、保険会社の名前を選ぶと、 カバーしているかどうか教えてくれる。ひとつのウェブサイトでいろいろな保険会社の調べがつくという意味では画期的。ただ冒頭に紹介した表と違って一覧表ではないので、やはりひとつひとつ調べないといけない。

なんかもっと使いやすい検索サイトってないだろうか?
もしくはこのウェブサイトのもっと粋な使い方があるのか?
ご存知のかた、ぜひお教えください。

2010年10月27日水曜日

Deductible を払いたくがないために。。

アメリカの医療保険事情がフクザツなのは日本でも知られていると思う。保険と一口に言っても実にいろいろである。公的保険、民間の保険。同じ保険会社でもその中でまたいろいろプランがあるからややこしい!

deductible といって、年間一定額までは保険でカバーされず自己負担になるしくみがある。例えば deductible が500ドルとすると、年間500ドルに達するまでは自己負担、それ以後はあらかじめ決められた何割かが保険でカバーされる。個人で保険に入る場合、月々の保険料が低額なプランを選ぶと、それと引き換えに deductible が高くなる。

若くて元気で病気になる予定(?)もないような人、あるいは deductible 額が低いプランは月々の保険料が高すぎて払えないという人は deductible が高くなっても安い保険料を重視してそういうプランと契約する。

ほんとうは民間保険に入っているのにこのdeductible を払いたくがないために無保険を装って来院し、政府の予算による支援プログラムを利用して診察やマンモグラムをただで受けようとされた患者さんがおられた。「自分は働いているんだ!」と豪語された。

彼女の主張はつまり、自分は働いている=税金を納めて社会に貢献している=当然公的資金の医療を受ける権利がある、というわけである。

不況で州の税収も激減して、それによって州政府のプログラムもいろいろ縮小・削減が続いている。患者さんがこれまで利用してきた某プログラムも、例年よりも対象者を減らさざるを得ない状況。

そんななか、この某プログラムの理念としては無保険の人を優先せねばならない。先の患者さんからすれば、働いていない人が恩恵を受けて、自分が自費で医療を受けなければならないのは納得がいかない、ということになってしまうが、医療の末端のスタッフであるわれわれにはどうすることもできない。就労の有無や無保険にいたる背景にはいろいろな事情があるから、何をもって公平さを保つかはむずかしい。。。

政府の医療改革のすえには、このような話が過去の出来事として語れるだろうか。

2010年10月26日火曜日

かぼちゃの似合う季節

 
すっかり紅葉が進んでいる。今日は夕方から雨風激しかった。葉っぱがますます落ちちゃっただろうな。案外気温はあたたかいので助かっている。

気温といえば、カリフォルニアの天気はすんばらしかった。温暖な気候のところで生活すると人間だめになる、とか晴れてばかりは変化がない、という人もいるが、私は毎日晴れでも歓迎。

ただし、ハロウィンの飾りつけ用のかぼちゃ(オレンジ色の)は、ペンシルバニアのこの季節にすこぶる似合う。LAの住宅地でぽつねんと玄関先に置かれたかぼちゃのすぐ脇に椰子の木がにょきにょき生えているのはミスマッチであった。

カリフォルニアの写真を前の記事に少しだけアップロードしたので、よかったらさかのぼってご覧あれ。カンファレンスの内容そのものと、カリフォルニアのNP/RNたちとの集まりについて後日ぜったい書かなくては。

性感染症スクリーニングのイベント


先週は市内の某大学(A大学としておこう)に出向き、また今週はオフィスの近所の専門学校(B校とする)の学生を対象に性感染症スクリーニングのイベントをスタッフ総出で開いた。

A大学の会場は寮の1階のロビ。館内には教室もいくつかあり、昼間でも学生の出入りの多いところ。多くの学生がゲームやクイズに参加してくれた。そして希望者がクラミジアと淋菌感染症のスクリーン検査(尿で)をうけた。B校の場合もほぼ同じ内容だが、学校がすぐ近所なので、私たちのオフィスを1日開放して学生さんに来てもらう形を取った。

ノリよく学生たちをよびこんでくれるのは、ジェニーの役割。(彼女は普段から地域で若者を対象にいろいろなライフスキルを教えているスタッフ。)メディカルアシスタントのリリーは必要な用紙(同意書など)を手際よくまとめて学生さんに対応。メディカルアシスタント学生の2人が尿検査の検体を取り扱う役目。オフィスマネジャーは受付を手伝いつつ、出入りする学生さんたちにさわやかな挨拶をおこたらなかった。雰囲気づくりにかなりプラス。

私は患者さんと簡単な個別面談。「今日の検査はクラミジアと淋菌の感染症をスクリーニングするためのものです。HIV、梅毒などの検査は含まれていません。結果はいついつ。。。」などということを一人ひとりに手短に説明し、患者さんの質問に答え、込み入った相談事や何か症状のある学生さんには 予約をとって後日オフィスに来るようにすすめる、というわけだ。

ゲームに参加するだけ、お菓子を食べに来るだけ、という学生もいるが、お菓子につられつつパワーポイントのプレゼンテーションに耳を傾けたり、最終的には「やっぱ検査を受けてみよう。」と気になったりする学生さんもいる。

スクリーニング検査を受けた学生さんには冒頭の写真のようなグッズをまとめて紙袋に入れたお土産を渡す。

8月に市内のある地区のお祭りでブースを出したときは、半日頑張ってもスクリーニングテストを受けた人は6人どまりだったが、今回はいずれの日も40-50人の参加が得られた。(検査を受けたかった学生を入れたらもっと。)近所のおばさんやおじさんに目撃されかねない場所より、学校のような同年代の人の集まる場所のほうが気軽に検査を受けやすい、という面は大きいだろう。ある先生は自分のクラス全員を率いてイベントに参加し、自らもスクリーニング検査を受けて生徒の抵抗感を少しでも減らそうとしてくださっていた。あっぱれであった。

こういうイベント類はとても疲れるんだが(1人1人に十分時間がとれないわりに、書き仕事は結構あったり)、患者さんが診察に来る敷居を少しでも低くすることにつながればとてもうれしい。

2010年10月24日日曜日

Palm Desert からの帰り道の話

以下はカリフォルニアから帰る飛行機を待っているとき(先週末)に書いたメモ。

Palm Desert から LAXま でのドライブは、リッキーさんというC州のNPを乗せた。彼女がカンファレンス会場の掲示板に「LAまで車に乗せてくれる方があったら電話ください。」というメモを張っていたのを私が見て、乗っけてあげることにしたのだ。この話をその晩とまとまんにしたら「本当にその人はカンファレンスに来ているNPなのか?」と心配するので、私も少々不安になって帰る前々日のうちに電話で呼び出して面接(?)した。ちゃんとカンファレンスの名札をぶら下げでいたので安心したと とまとまんに伝えた。当日2時間あまりのドライブはそういうわけで話が弾んで行きよりも短く感じた。

以下おぼえがき。

・手荷物に空気枕と上着とラップトップのアダプターを入れるのを忘れないこと

(帰りの飛行機にこれらを全部預け荷物に入れてしまい失敗!! 急遽LAという字の入ったトレーナーを購入)

・アメリカ国内とはいえ、東海岸から西海岸へのフライトをなめたらいかん。(ながい。)

・帰りの飛行機を待っているとき、乗り継ぎ便を待っているときが一番孤独。ワシントン・ダラス空港を始めて使った。日本との往復の際、この空港で乗り継ぎ便をまちぼうけしてくれているとまとまんに改めて感謝。

2010年10月20日水曜日

夢のあとの仕事山

カンファレンスのことをはじめカリフォルニアでの出来事をいろいろ書きたいが時間がないー

飛行機泊もいれて9泊10日の旅をしている間に、メールの山ができ、
仕事場では仕事の山ができ、
なかなか追いつけなくてなかなかしんどい。

オフィスを空けた1週間(祝日があったので正確には実質4日間だけなんだけど)のあいだ、代わりのNPが来てくれていたのだけど、異常検査結果のフォローアップとか医師との細かいコンタクトとか、そういうのはやってもらえないので、やはりたまってた。ひとつひとつの仕事はたいしたことないんだけど、積もると「量」なのだ。

あと、時差(たった3時間と思いきや、あなどれぬ)と帰りの飛行機であんまり寝れなかったこととか、いまだにひびいちゃっているような。

ジムにも足が遠のいてしまってる。いつものペースを取り戻さないと。

日暮れも早いが朝も暗い。朝7時でもまっくら。うぇーん。

子宮頸がんワクチン無料化への動き

現在日本では地方自治体のレベルで子宮頸がんワクチン接種の助成がすすんできているが、これは国レベルの話。
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010100701000804.html

2010年10月15日金曜日

カンファレンス2日目

昨日がプリカンファレンスで、今日から本カンファレンス。

きょうも一日(9時過ぎまで)盛りだくさん。
座ってばかりいるので、腰が痛い。
夕方ちょっとだけ外を歩くと、夕焼けに山の端がきれい映えていた。

超リゾート地にいるのにもかかわらず、ほとんど建物の中にいてもったいないような。
でもセッションを聞き逃してまで遊びに行く気にもなれず。
お金を貯めていつか戻ってくればいいや。(貯まることがあれば。)

とまとまんも来られたらよかったのに、と思うけれども、もし来ていたら
おそらく彼を一日中自由行動(ほったらかし)にしてしまった可能性が大なので、
来られなくてよかったのかもしれない。

会長の Sさん はいつも人に囲まれて忙しそう。
タイミングを見計らって話をした。
実に11年ぶりのハグ。
感慨深い。

この人がある意味わたしの人生の流れをおおきく変えた人。
11年前はNPになりたいとこそ思わなかったけど、彼女のような働きを
できる人になりたいと思った。
留学を考えたときも就職を考えたときも、メールを送るたびに
丁寧なメールを返してもらった。

自分以外に clinician のいないオフィスで働いていると、正直非常に孤独に感じることも
少なくない。こうして彼女と再会し、また長年パッションを貫いて
各地で働いてきた人たちを前にすると、とても心づよくなるし、また
自分の原点にもどる気がする。2000年ごろだったか、神戸で開かれた
アジア性科学学会に行ったときと同じような、いやそれよりも強烈な
ワクワク感がつづいている。

F先生、今はフロリダで働くRさん、モンタナで働く Lさんらと
ちょっとした同窓会になった。2年分たまった話はなかなかしゃべり終わらない。

今朝は会場にギリギリについたので、ご飯にあまりありつけず。
明日は早く行こう。
スポンサーの展示もまだ半分しか見終わっていない。

ねむくて、シャワー浴びるのめんどくさいが、がんばって浴びよう。

2010年10月13日水曜日

Palm Desert 到着

Palm Desert への道。
道路わきにひろがる発電用風車。

金曜日、仕事の後バスであわただしく空港に向かい、ロサンゼルスに飛んだ。直行便なのに遠かったー (帰りは乗り継ぎ便だからますます遠いな。。。)

週末をNP、CNS、CRNAの友達とすごし、今日ロサンゼルス空港でレンタカーを借りて、午後Palm Desert に無事到着。

明日からいよいよカンファレンス。週末があんまり充実していたのと、友達と話しながらいろんなことを考えていたのとで、もはやこのままPgh に戻ってもいいんじゃないか、というぐらいの満腹感(こころもお腹も)。

気合を入れなおして、4日間のカンファレンスを楽しんで来よう。

2010年10月7日木曜日

旅の前のドタバタ

いよいよNPWH (National Association of Nurse Practitioners in Women's Health)のカンファレンスが来週に迫った。それに先立って明日仕事のあとLAに行く。(ちょうど月曜日が祝日で3連休になるので。) 明日はいつもと違うオフィスへの出勤なので、今日のうちに片付けるべき仕事を終わらせてきた。机も拭いてきた。1週間パートのNPが代わりに来てくれる。

洗濯した。飛行機のチェックインした。持ち物リスト作った。(詰めるのは明日)。こっちは寒くなったがあちらは暖かそうだ。という感じでまだばたばたしているが、なるべく忘れ物ないように+安全に行ってこよう。バスの時刻をもう一回調べておかねば。