今週16歳の患者さんの初診がたまたま2人続いた時があった。ヒストリーをとっていくと、妊娠と性感染症のリスクがふたりともむちゃ高い。まったく別の患者さんなんだけど、共通点多し。
午後の最後のほうの予約だったこともあり、だんだん頭がこんがらがって、「あれ、これはもう聞いた(or 言った) っけ? それともさっきの患者さんに言ったんだったかな?」とわからなくなった。「さっき言ったように」と思わず言いそうになるが、「いやいや彼女にはまだこの話していない。」と自分の頭のなかで打ち消して、話を続けたり。
帰ってきてから、前から見ようと思いながら後回しにしていたCDCのウェビナー(ウェブ上のセミナー)を見た。昨年末に出た2010年版STD治療ガイドラインに基づいて、このウェビナーでは特に思春期にフォーカスをあてている。
http://www.cdc.gov/std/treatment/2010/default.htm
性経験のある15-44歳の人を全数とすると、そのうち15-24歳の人は25%しか占めないが、性感染症の発生率(incident) となると 15-24歳の人が全体の約半数を占めるとのこと。e-mail や携帯メールで患者さんにコンタクトをとることの是非や留意点、思春期の患者さんの性に関するヒストリーをとるのに便利なツールなどの話もでてきた。患者さんの強みや興味が何なのかに注目すること、"sexually active" という言葉いろんな風に解釈できるので、この言葉は避けてもっと具体的に聞くべきだ、ということなども。
思春期に限ったことではないが、淋菌感染症の治療が難しくなっている昨今、ceftriaxone 250mg (125mg ではなく) の筋注 に doxycycline もしくは azithromycin を併用することの重要性が強調されていたのが印象的だった。ここでのdoxycycline、 azithromycin の意味は、クラミジア感染症の治療としてではなく、淋菌に対して2剤でアプローチするということだ、と。結核に対して3剤の抗生剤を使うのと同じように、淋菌に対しても厳重に2剤で治療するのだ、という説明がわかりやすかった。