2011年7月30日土曜日

Lost Virginity

性に関するヒストリーをとるなかで、人生で初めてセックスをしたのが何歳だったかということも聞いたりするのだけど、患者さんが
"I lost virginity when I was x years old." 
(私が純潔(処女)を失ったのはx歳のときです。)

というと、私はなんか引っかかるものを感じる。

このlost virginity という表現、ときどき聞く。レイプなど、セックスを強要された場合にこの言葉を使うのは、わかる。だけど、望んで(少なくとも、当時)セックスした場合でも、それが「純潔を失う」というなんともネガティブな表現になるのが、まるで悪いことをしたみたいで、残念に感じてしまう。セックスをすること自体が悪いことのようで。

lost virginity という言葉を使わずに、"When I had sex for the first time, I was x years old."  と人間胸張って言ってもいいんじゃないか、って思う。






2011年7月24日日曜日

5km レース申し込む

8月27日に行われる 5kmレース Run Around the Square に申し込んだ。
http://www.runaroundthesquare.com/

9月25日に行われる 10km レース、City of Pittsburgh Great Race にも近々申し込むつもり。こちらは2人で申し込むと割引があるので、走ってもいいという友達を探しているところ。

ぼやぼやしていると、ハーフマラソンのときみたいに定員オーバーで申し込めなくなってしまうので、気をつけようと思っている。

今住んでいるところは坂道の多い住宅地で、かつ大きな公園がすぐそばにあるので、トレーニングにはもってこい。周りに走っている人・歩いている人がたくさんいる点もとても気に入っている。


2011年7月23日土曜日

患者さん向け資料を作るときのヒント

知り合いの家庭医が、患者さん向け資料作成時のガイドラインを紹介してくれた。CDC が発行したもので、タイトルからして、 "Simply Put"という。サブタイトルは "A guide for creating easy-to-understand materials"

米国にすむ成人の3分の1は、健康に関する情報を読み、それに基づいて行動する上でなんらかの支障があるのだという。移民、留学生、短期滞在者などの形で外国から常に人が入ってきているから、というのもあるだろうが、たとえ米国内で生まれ育った英語を母国語とする人であっても、必ずしも英語がすらすら読めるというわけではないことは、診察のなかで私も感じている。

このガイドラインで触れられている具体的な内容としては、
・言葉の選び方。例えば hypertension (高血圧)というかわりに、high blood pressure というべし。
・写真やイラストの選び方
・文字の大きさや字体の選び方
・文章の長さ、一行の幅の長さ
・余白はどのくらいとるべきか
・表紙をいかに魅力的にするべきか
・文化への配慮
・翻訳資料を作る場合の注意点   など細かく書いてある。

このガイドラインそのものが、上記の留意点を踏まえて書かれているので、視覚的にもとても理解しやすい。全部で40ページ以上あるが、見出しや太字のところを追っていくだけで要点はざっとつかめる。29ページにあるチェックリストは、パンフレットなどの配布資料を作るときだけでなく、スライド資料なんかにも役立ちそう。

2011年7月22日金曜日

思春期のセクシャル・ヘルス

今週16歳の患者さんの初診がたまたま2人続いた時があった。ヒストリーをとっていくと、妊娠と性感染症のリスクがふたりともむちゃ高い。まったく別の患者さんなんだけど、共通点多し。

午後の最後のほうの予約だったこともあり、だんだん頭がこんがらがって、「あれ、これはもう聞いた(or 言った) っけ? それともさっきの患者さんに言ったんだったかな?」とわからなくなった。「さっき言ったように」と思わず言いそうになるが、「いやいや彼女にはまだこの話していない。」と自分の頭のなかで打ち消して、話を続けたり。

帰ってきてから、前から見ようと思いながら後回しにしていたCDCのウェビナー(ウェブ上のセミナー)を見た。昨年末に出た2010年版STD治療ガイドラインに基づいて、このウェビナーでは特に思春期にフォーカスをあてている。
http://www.cdc.gov/std/treatment/2010/default.htm

性経験のある15-44歳の人を全数とすると、そのうち15-24歳の人は25%しか占めないが、性感染症の発生率(incident) となると 15-24歳の人が全体の約半数を占めるとのこと。e-mail や携帯メールで患者さんにコンタクトをとることの是非や留意点、思春期の患者さんの性に関するヒストリーをとるのに便利なツールなどの話もでてきた。患者さんの強みや興味が何なのかに注目すること、"sexually active" という言葉いろんな風に解釈できるので、この言葉は避けてもっと具体的に聞くべきだ、ということなども。

思春期に限ったことではないが、淋菌感染症の治療が難しくなっている昨今、ceftriaxone 250mg (125mg ではなく) の筋注 に doxycycline もしくは azithromycin を併用することの重要性が強調されていたのが印象的だった。ここでのdoxycycline、 azithromycin の意味は、クラミジア感染症の治療としてではなく、淋菌に対して2剤でアプローチするということだ、と。結核に対して3剤の抗生剤を使うのと同じように、淋菌に対しても厳重に2剤で治療するのだ、という説明がわかりやすかった。


2011年7月21日木曜日

中高生むけクリニック見学会

先日とあるグループホームに住む中高生の女性が10人くらい私のクリニックの見学に来た。ここでいうグループホームとは、本人または家族になんらかの問題がある中高生たちが、集団でスタッフの監督のもとに生活をしている施設のこと。

私が顔を出したのは少しの時間で、あとは他のスタッフが主に対応してくれていた。ちょうど私が覗いたときは、プライバシーがどのように守られるか、という質問が集中していた。親やグループホームのスタッフにクリニックに行くことを知られたくないんだけど、とか、検査結果の報告はどのようにするのか、とか。彼女たちにとって、そのあたりの情報のやり取りはとてもセンシティブなのだろう。ざっくばらんにいろんな質問をしてくるグループだという印象を私はもった。(かなりズバズバと)

診察のためにクリニックに行く、と思うと、二の足を踏むこともあるかもしれないが、今回はあくまで「見学会」で、しかもお菓子や飲みものは出るは、お土産(パンフレット類、コンドームなど)はもらえるは、という環境だったので、多少なりともきら~くに来られたのではないかと思う。

参加者のうち希望者数人がクラミジアと淋菌感染症の検査(尿で)を受けていった。

クリニックが悪くないところと思ってもらえたらうれしい。そして必要なときに思い出して来てもらえるとさらにうれしい。

2011年7月20日水曜日

オーガニックなファーマーズマーケット

映画 Food Inc. と 『食品の裏側』という本を読んで以来、食べ物の選択にちと敏感になっている。今日はファーマーズマーケットはファーマーズマーケットでも、オーガニックの品物ばかりが集まっているマーケットに行ってみた。

オーガニックの野菜や果物は、普段スーパーで目にする品々より、大体どれも小さくて(ていうか、スーパーのが巨大)、かつ値段は高い。とりあえず、にんにくの芽を一束、紫色のインゲン豆(珍しいと思って)、プラムの3品だけ買ってみた。

にんにくの芽は、早速炒めて食べてみたが、なかなかいける味。プラムも甘くておいしい。

大阪や東京の暑い夏を経験してきた私にとって、ピッツバーグの夏はちょろいはずなんだが、このところ暑い! 夜になっても暑い! しっかり食べて乗り切るぞーー

2011年7月19日火曜日

Sound of Music

たまたま応募した抽選で無料チケットが当たって、ミュージカル Sound of Music の公演に行ってきた。今日が公演の初日。平日の夜だが、会場はかなり埋まった。タダ券にもかかわらず、2階の結構よい席が取れ、2時間半たっぷり楽しんだ。Climb Every Mountain の音楽と歌詞が頭から離れない。励みになる。


2011年7月18日月曜日

産後直後の避妊

昨年発行された 避妊法に関する指針、United States Medical Eligibility Criteria (USMEC) for Contraceptive Use の補足が先週発表された。今回のは、産後直後から42日目目までの避妊方法について扱っている。

産褥期は通常産後6週間だが、今回補足された指針では、そのなかでも産後直後から21日目までの時期についてわざわざ特別に書いている。エストロジェン・プロジェスティン合剤のピルは、産後直後から21日未満は血栓のリスクが高いので不可と。21日以降の場合、血栓のリスクファクターのが特になければ、合剤ピルも妥当と。ただし、合剤ピルは授乳中の人には望ましくない(母乳分泌を低下させる)。プロジェスティン単剤の避妊方法は、血栓のリスクファクターや授乳の実施状況によらず、産後すぐから使ってよい。

詳細は原本を参照。
http://www.cdc.gov/reproductivehealth/UnintendedPregnancy/USMEC.htm?source=govdelivery

2011年7月17日日曜日

レンタサイクル in ピッツバーグ

友達が最近自転車を買ってはまっているというので、それに刺激を受けたわたしは早速今朝自転車をレンタルして、その友達と川沿いを走ってみた。アリゲニー川、モノンガヘラ川、そしてその2つが合流してなすオハイオ川という3本の川の三角州にダウンタウンが位置する。というわけで橋がたくさんあるんだが、橋から眺める風景は最高だった。2時間のサイクリングで、大いに気分転換になったこと請け合い。

以下、少しだけおすそ分け。
ピッツバーグでレンタサイクルをしているところはいくつかあるようだが、今日わたしが利用したのはここ。

2011年7月14日木曜日

日本: 子宮頸がん・乳がん検診受診率上昇

2010年の国民生活基礎調査によると、乳がんと子宮頸がんの検診受診率はいずれも24.3%だったとのこと。2007年調査時点と比べ、それぞれ3-4ポイント上昇したと。

乳がん検診は40歳以上、子宮頸がん検診は20歳以上の女性が対象とされ、どちらも2年に1回の実施が日本では推奨されている。過去2年における検診受診率として計算しなおすと、子宮頸がんの検診受診率は32%、乳がんは31.4%だそうだ。

2009年から5年刻みの節目の歳に無料でこれらの検診が受けられるクーポンが配られている。自治体と国が費用を折半してくれるのだ。新聞記事を読んでいると、「クーポンの効果があった」、「検診率が上昇した」と書かれているが、まだまだ大半の人がクーポン制度があっても検診に出向いていない面は否めない。まだまだやることがあるぞう。

2011年7月11日月曜日

アパートに引越し

今月1日、市内のアパートに引越した。建物自体は古いが、壁を最近塗り替えたところなので、きれいで気持ちよい。願わくば、カーペットも新しいといいのだが、こちらは古いままである。前に住んでいた人が飼っていた犬のオシッコの臭いが2度にわたるカーペットクリーニングのあとも一部しつこく残っているので、大家さんに対応をお願いしている。

部屋自体も好きだが、まわりの環境がすこぶるよい。大きな公園まで徒歩4分。前よりもバスの便が悪くなったが、ちゃんと狙いのバスにさえ乗れば、前と通勤時間もかわらない。

前の住人はほとんど掃除というものをしていなかったと見えて、しばらくは掃除と片付けに明け暮れていたが、ちょっと落ち着いてきた。独立記念日の3連休にあわせて とまとまんが来てくれて、掃除をかなりやってくれたのでむちゃ助かった。とまとまんの腕にかかりゃ、冷蔵庫など新品同様の輝き。

基本的な調味料など、まだいくつか買い忘れていたりして(味噌と砂糖)、料理のペースはまだいまいちである。がんばろう。


ガーダシル日本上陸

2009年12月より日本で使えるようになったHPV(ヒト・パピローマ・ウイルス)ワクチンは、子宮頸がんに大きく関連する16型、18型を対象とした サーバリックスだけであった。このたび、これら2型に加え、尖圭コンジローマに関連する 6型と11型をも対象としたワクチン、ガーダシルの製造販売が7月1日に認められた。

国の接種補助事業の対象になることも決まったとのこと。こちらは毎日新聞の記事。