2019年8月30日金曜日

月経不順をいつまで様子見するか

初めて月経が来てから「しばらく」は月経不順がよくある。その「しばらく」はだいたい2年間が目安となるのだけど、この2年間の間はなにもしなくていい、というわけではない。

やはり、3か月月経が来ない場合は、立ち止まって理由を考える必要がある。

1年半月経が来ない、という10代の患者さんに数か月前に会ったが、摂食障害が背後にあった。月経が来ないという主訴のおかげで、幸いケアにつながってよかったのだけど、主治医が様子見しすぎてしまっていたと思う。体重的には決して普通の範囲に入るのだが、過去1-2年の体重の経過をグラフで見ると、明らかに激減した時期があった。体重はこの数か月で順調に増えてきたが、月経再開までにはまだしばらくかかりそう。

大学生の患者さんで、人生いまだかつて月経がない、という患者さんにも会った。主治医にはたびたび無月経を報告していたようだが、もう少し様子見てみましょう、でズルズル専門家への紹介が遅れてしまったようだ。人生いまだかつて月経がない場合は、かつてあった月経が止まった患者さんとはまた違う。考えられる原因がさらに増える。体の構造的に子宮や卵巣がないとか、膣が子宮と通じていない、などという場合もある。

バレリーナ、フィギュアスケーター、新体操選手、長距離選手などは、いわゆる摂食障害がない場合でも、長年にわたる激しい運動で、体脂肪が極端に少なかったり、体重も非常に軽かったりで、月経が止まるにとどまらず、低エストロジェンが骨粗しょう症の発症もきたすことが珍しくない。

「なんでもっと早く手が打てなかったかな。小児科医がもっと早く患者さんを送ってくれてたら。」と思ってしまうが、月経が止まったおかげで少なくとも今、手が打てていることをよかった、得した、と 患者さんの気持ちを盛り立てようとしている今日この頃。

アスリートとしての活躍が実って、大学のチームでも引き続き頑張ろうとしている患者さんに、あなたの無月経は運動が原因です、それだけでなく、あなたの骨は70歳代のおばあさん並みの骨粗しょう症があります、というのは酷なことだろうか。歌手に歌うのをやめろ、と言っているに等しい。

まとめ:
月経不順を待ちすぎない。3か月たって再開なければ、専門家に相談を。
16歳になっても人生いまだかつて無月経の場合に primary amenorrhea (原発性無月経)というが、13歳で第二次性徴のサインがないとか、15歳でもまだ月経が来ないときには、専門家に相談を。(原発性無月経は、原子力発電とはまったく関係なし。)

2019年8月29日木曜日

11年来の夢達成:FNP合格

EmoryのWomen's Health Nurse Practitioner program入学当初は、NPといえばWHNPしか知らなかった。Family Nurse Practitioner という存在があり、性別や年齢にかかわらず、患者さんのプライマリーケアにかかわれるということは入学後に知ったこと。

ジョージア南部の農村での実習で、FNP学生と接して、彼らの知識と技術にたまげた。またかつて大学生用のクリニックで働いていた時も、プライマリーケアの知識と技術の必要性を強く感じた。

Emory卒業から今年で早11年。3年がかり(うち、1年は休学)で5月にPost-Master's FNP Certificate Program を卒業し、7月末にAANPの board exam(資格試験)を受けた。試験会場では仮合格の通知をもらったものの、オンラインで正式な結果がでるまでなんと3週間かかり、それから1週間余りたって、ついに証明書が届いた。

ただいま州のライセンスの手続き中。

ペンシルバニア州のライセンスは、まるで初めてNPライセンスを申請する人と同じように費用が発生し、さらに州外の学校の卒業生だと追加の費用があって、合計160ドル余りを支払った。これには、犯罪歴を調べる費用も含まれている。AANPからの証明、学校の成績証明書、などなどもろもろも書類がそろわないといけない。

ちなみに、ジョージア州のライセンスも、使わないのにずっと維持してきたのだが(2年ごとに更新のお金を払って)、こちらは、NPとしての領域を増やしても、ライセンス上の手続きはいらないとのことであった。それぞれのNP領域(WHNP, FNPなど)の board certification を維持・更新し、かつそれぞれの board certification の専門領域(scope of practice )内で働くかぎり、いちいち看護局側はライセンス変更等の手続きを課さないとのこと。ただし、いままでNPだった人が、Nurse Anesthetist になったりして新たな "role”を担う場合は、もちろん新たなライセンスを申請する必要がある。

2019年6月19日水曜日

電子カルテの種類によるワーク・ライフバランス

最近職場で、ワーク・ライフバランスのことがしばしばトピックに上がる。
組織として、まじめにこのことに取り組もうという姿勢を子芋も歓迎する。

仕事は夕飯時間までには切り上げましょう、という感じの unofficial な標語も聞く。(ちなみに、その「夕食時間」が何時、とは言っていない。)

しかし、本当にワークライフバランスを言うのであれば、
末端のスタッフが日に日に使う電子カルテの質を上げるということを、まずはやってほしいなと思う。

子芋は今までに4種類の電子カルテの経験があり、現在は2種類の電子カルテを使っている。その日の勤務先によって、カルテXを使わないといけないところと、カルテYを使わないといけないところがあるんだが、カルテ書きにかかる時間も、疲労感もまるで違う。

ということを前から訴えているのであるが、子芋や同僚の声は届かず。。。

「みなさん仕事は早く切り上げて帰りましょう」的なアナウンスに従ってサクサク帰ってもよいけど、結局終わらなかったカルテ書きは家で続きをするなり、翌日するなり、いずれせねばならないわけで、定時帰宅だけを呼びかけられても、困るというのが本音。

医療者のなかには、「カルテの出来は ”A”を目指さず”C程度”でええんや。」という開き直り(?)派もいると聞くが、専門家としては一定の質っちゅうもんがいる。

そもそもカルテは、自分の趣味で書いているわけでなく、患者さんの主治医やほかの分野の専門医など、患者さんとかかわりのある複数の人が読むわけだし(そして最近は患者さん自身がポータルサイトを通じてカルテそのものを読めるようになっていっている時代)、自分自身も何週間/何か月あるいは何年後かに患者さんと再会する際に、前回自分が何をどう考えていたのは分かるように書いておかねば、自ら苦しむ。

内容的にも見た目的にもスッキリしとしたカルテを書くには、カルテそのものの使い勝手が勝敗を大きく左右する。カルテXを使う日でもカルテYの日でも、子芋個人のレベルで、なるべくまっとうな質を目指しているが、あまりの使い勝手の違いに、いまだに驚く。




2019年6月12日水曜日

プリセプター探しにおけるマナー

全米各地、ナースプラクティショナー(NP)やフィジシャン・アシスタント(PA)の学校はどこも人気らしい。学校も凝ったウェブサイトやバンプレットを作っている。

しかしながら、学校がどこまで実習先の確保に力を貸してくれるかという点にはばらつきがある。学校側がほとんど探してくれるところもあれば、学生側が責任を持って自分で探さないといけないところもある。

子芋の場合、Emory時代は前者であった。日本からポンと飛び込んだ自分に、先生が実習先を確保してくれていたのは、今思っても、本当に恵まれていた。

先日卒業したUniversity of Massachusetts Boston  の場合、全米から学生がオンラインで「登校」しているということもあり、学生自身が責任をもって実習先を探すというのが、最初から明確になっていた。

仕事を通した関係やら、上司や同僚のツテなど、いろいろなルートを駆使してもなお、実習先の確保には非常に苦労した。成人のプライマリーケアの実習先にあたっては、40-50人にアプローチした。

なので、学生からプリセプターのリクエストがあった場合、子芋は断らない、というか断れない。ただし、子芋の今の働き方(週25時間)、かつ計8か所のクリニックに行くというスケジュール(通勤に車で最長1時間)、また思春期・青年期クリニックという特徴がら、患者さんの年齢が主に9歳くらいから上は26歳まで、というユニークな領域なので、それについてあらかじめ説明する。

子芋との実習は、月経にまつわるトラブルの対応やIUD・インプラントの管理も含め、リプロダクティブ・ヘルスに関するケアが豊富なので、Women's Health あるいは 小児科実習の「一部」としてはよろしいが、決してWomen's Health あるいは小児科実習の時間割り当ての「全部」を子芋のところで過ごすのは不適切、とも説明する。

だってそうでしょう、Family Nurse Practitioner の学生が妊娠期や産褥期や更年期のの患者さんをまったく診ずに実習を終えてしまったり、Pediatric Nurse Practitioner の学生が、一般小児科の実習をせずに卒業したら、それは大問題。

このような点をクリアに説明すると、大方の学生は大した返事もよこさず逃げていく。基本的なメールや電話のマナーにかける学生が多くて閉口する。自分がプリセプター探しに本当に必死であったため、マナーの悪さに余計に唖然とする。

子芋が学生に求むマナー:
1)まるでスパムメールのようなメルアドからではなく、学校もしくは職場のオフィシャルなメールアドレスからメールすべし。
2)プリセプターのレズメ(履歴書)を要求する前に、まずは自分のレズメを最初のメールに添付し、自己紹介すべし。
3)いくら私の個人情報をNP団体のウェブサイトから得たとしても(メンバー同士は情報が見られる)、それをかくかくしかじかと説明すべし。
4)いきなり個人携帯にテキスト(携帯メール)してこない
5)もらったメールには24時間以内に返事をする。興味がないなら、そう伝える。
6)メールの口調はいつも丁寧に。

子芋が学生に勧めたい、実習先確保のコツ:
1)地元のNP団体に所属する
2)地域・州のNP団体の学会・勉強会に積極的に参加し、顔のつながりをもつ
3)たとえ必要な実習時間が20時間でも300時間でも、その時間「丸ごと」を依頼するのではなく、あえて「some hours」をお願いできないか尋ねる。子芋の場合も、小児科実習300時間のうち、約1/3をAさんに、1/3をBさんに、残る1/3 をまた何人かのピンチヒッターに割り振ることで、一人当たりのプリセプターの物理的・精神的負担感を減らした。


以上、学生の立場で実習先確保に苦労した経験と、プリセプターの立場でもどかしく思う経験からの おぼえがき。

2019年6月11日火曜日

卒業しました!

すっかりごぶさたしております。
おかげさまで、先日Post-Master's FNP Certificate Program を卒業しました。

入学したのが2016年の5月。2017年は父の病気&旅立ちで結局丸1年休学。
2018年1月からまた再開し、そこから1年半でゴールしました。

最期の学期は、週25時間の仕事を続けつつ、14週間で300時間あまりの実習をしていたので、
その間生活のいろいろなところにしわ寄せが行きました。

まず、食事はすべて とまとまんにお任せ。
慢性的に睡眠不足。
掃除は最低限。
メールも最低限。
数独もがまん。

実習が終わって、ちょうど1か月になります。

料理をぼちぼち再開し(手際がとても悪くなった)、
家じゅうの掃除をし、
トマトを植え、
とまとまんと久しぶりに旅行をし、
メールを何か月分もさかのぼり、
数独もちょっとやりました。(でも途中であきらめて、結局とまとまんに渡す。)

次の目標は、Family Nurse Practitionerの試験に受かることです。
この1か月ちょっとのんびりしたので、ここからペースを上げていきます。


2019年1月14日月曜日

日本の親戚とピッツバーグの親戚

日本で2週間過ごし、大晦日に帰宅。2日から通常勤務。飛行機の中で年賀状代わりのnewsletter の下書きを書いたものの、いまだ仕上げておらず、まぼろしに終わりそう。

夫の実家ではフリージアの出荷の最盛期で、収穫・出荷の手伝いを楽しんだ。朝起きて、朝ごはん食べて、まず出荷。それから花を切り、10時のおやつ。また花を切り、昼ごはん。午後はその日によっていろいろ。3時のおやつ。またいろいろ。5時半にはご飯。

子芋の実家では、やることリストをこなすのに必死で、しかも帰る前の日になって、母がやっぱり年賀状を出すと心が変わり(今回は出さない、と最初は言っていた)、それから とまとまんと、子芋、子芋の妹夫婦の4人でさらに忙しくなる始末。喪中の有無をとわず出せるように「寒中見舞い」の体裁にし、朝ごはん中・後に200枚余の印刷をし、昼前のバスに何とか間に合った次第。

子芋実家で唯一リフレッシュできたのは、いとこ達とそのうちひとりの息子が訪ねてきたとき。彼は 他の誰よりも とまとまんの本名を「……さん!」完璧に覚え、とまとまんはご満悦であった。

週末、Aさんのお宅で新年恒例のお餅パーティーがあった。在ピッツバーグの日本人や日本にゆかりのあるアメリカ人、近所の人たちなどが集まる。平たく言えばピッツバーグの「親戚」みたいな人たちである。お餅やもちより料理の味もさることながら、このような場とネットワークがあることに感謝である。


2018年10月29日月曜日

我が近所での銃撃事件をうけて

2日前、われわれの近所(徒歩圏)のシナゴーグ(ユダヤ教の教会)に侵入した者が、銃で11人の信徒の命を奪った。今回の事件は、ユダヤ教信徒を標的にした事件の中でも、全米で史上最悪の規模と報道されている。

この事件がピッツバーグで起こったということだけでも十分ショックであるが、ピッツバーグのなかでもよりによって Squirrel Hill  地区で起こったということが 、余計にショックだ。

Squirrel Hill   は、ピッツバーグに90 とかある地区neighborhoods のなかでも、とりわけいろいろな人種や宗教の住人がごく当たり前に一緒に住んでいるところ。いろんな人がいろいろいる中で自分もいる、というところが、留学生や駐在員や移民にとっても非常に安心できる環境なのだ。

記者会見での市長の言葉に救われる。

住人として、できることをしていきたい。