2012年4月26日木曜日

お礼状の力

先日高校生のAさんが、将来の仕事を決めるためにNPの仕事を見学したいと私に問い合わせをしてきて、一緒に一日を過ごした。

Aさんはなかなか鋭い観察力をもっていて、私に鋭い質問をしてくれた。その日の夜にはメールでお礼状と簡単な感想が来て、とても関心したのだが、それだけではなく、Aさんはオフィス全体宛にも Thank you カードを送って来てくれた。スタッフみんなととても喜んだ次第。

一枚のカードに秘められた力はすごい。

2012年4月25日水曜日

煩雑な電子カルテ

来月から本格始動になるはずの電子カルテ、トレーニングは進んできたが、形式が非常に複雑で、記述にかかる時間は従来の紙カルテのときよりもずっと長くかかるように思う。

慣れたら少しは早くなっていくだろうとは思うが。。。。今までメディカルアシスタントが担当していた検査検体の伝票の処理がなぜか今度はNPが担当することになるなど、どさくさにまぎれて(?)増えてしまった仕事もある。

問診表に関しては、患者さんが紙に記入した内容をメディカルアシスタントがパソコンに入力するか、メディカルアシスタントが患者さんと面談しながらパソコンに直接入力することになるという。

思うに、せめて問診表の内容は、I pad とか 電子式のペンを使って、患者さんに直接ぽんぽんと入力してもらえるようにならんもんかねー。多言語対応の問診表だったらなおよし。

2012年4月24日火曜日

10代ママ・パパたちの会

性教育を含めて子どもたちにライフスキルを教える仕事をしているAさんと、メディカルアシスタントBさんと、わたしの計3人で、10代のママ・パパたちの集う会に呼ばれて行った。

参加者は、各自学校や仕事のあと、赤ちゃん(2ヶ月くらいから2歳前くらいまで)を連れて三々五々集まってきた。月1回(だったと思う)いろいろなテーマを取り上げて彼女・彼らが集まれるこのような機会を設けているのだそうだ。

今回は性感染症予防がテーマ。Aさんがパワーポイントを使いつつ、ざっくばらんなプレゼンテーションをし、合間合間に参加者からでてくる突っ込みや質問にAさんとわたしが適宜答えた。希望者は、クラミジアと淋菌感染症の検査をその場で実施。(トイレで尿をカップにいれてもらう。)

とってもくつろいだ雰囲気で、みんな思いつくままコメント・質問をしてくれて、なかなか楽しい1時間余だった。10代でありながら、赤ちゃんを育て、学校や仕事をつづけていっている彼らに私はすっかり hats off である。

2012年4月23日月曜日

またまた冬

ピッツバーグ市内は雨で済んだが、郊外では天気予報通りにが降ったもよう。手袋もコートももう仕舞っていたのに、今朝はやむなくまたダウンジャケットを着た。風が強く、ダウンジャケットにくっついている帽子を目深にかぶらざるをえなかった。

小手毬にライラック、そしてしゃくなげが咲き始めたという矢先に、この寒さ。花たちがかわいそう。一方寒さのおかげで(?)、水仙やチューリップが一部まだ残っていたりして、不思議な花模様。

頼むから、ハーフマラソンの日は晴れてくれ~

2012年4月22日日曜日

オペラ版『若草物語』

私の歌の先生が出演するオペラを観に行った。Mark Adamo という作曲家によるこのオペラは、初演が1998年というとても新しい作品。前半は現代曲ならではの不思議なメロディーになかなかなじめなかったが、後半は聞かせる歌が多かった(もしくは自分が慣れただけかも)。

外国語(英語以外)によるオペラのときのように字幕があったのでよかった。字幕と役者とを両方見るのはけっこう大変だが、役者だけ見てても何を歌っているかあんまりわからんからねー。ただ、自分が読み終わらないうちに字幕が切り替わってしまうことがよくあった。

先生の出る舞台を見るのはこれでもう4回目くらいだったと思うが、毎回とてもよい。個人レッスン中よりも舞台のほうが、先生の歌っているようすをじっくり観察できる。あと、いろいろな歌い手のようすを聞き比べできるのも面白い。

2012年4月21日土曜日

映画 Iron Jawed Angels

アメリカで女性が参政権を得るために闘った史実に基づいた映画。隣のアパートの友達に借りて見た。参政権獲得までに汗と血とたくさんの涙が流されていたのだ、という事実を突きつけられる。

見ていていろいろな友達を思い出す。それぞれ活躍の場所、活躍の仕方こそ違え、この世の中が少しでもよいものになるように、という希望とミッションを伴って生きているひとたちは、映画のなかの登場人物たちと共通する、なにか強いエネルギーを持っている。

2012年4月20日金曜日

人生という learning process

看護学を学んでいちばんよかったことのひとつは、人生をプロセスとしてとらえるように教わったことである。若いときは若いときなりに、歳をとったら歳をとったなりに、困難なことや悩みの種類こそ変わるけれど、そのときそのときの人生の課題があって、それを踏まえて成長できる。肉体的には病気になったり、老化したりするけど、そこでまた成長の機会を得る。

若いとき、病気でないときが一番で、歳を取ったり病気になったら人生お先真っ暗、というわけじゃぁないのだ。

友達が Here is Your Assignment... という、読み人知らずの十箇条を教えてくれた。ウェブで探したところ以下の資料ほかいくつか見つかった。
http://www.positivelyyoursinc.com/spiritually-inspiring/here-is-your-assignment/

気の利いた訳がつけられたらよいが、とりいそぎ、リンクだけ。私はこれを読むととても心強くなる。

2012年4月19日木曜日

残業と自分ケア

私の勤務時間は本当は8時から4時までだけど、仕事がたまりがちな昨今は7時20分くらいにオフィスに入り、8時に電話が鳴り出す前にまず一仕事。定時後も、5時前後まで残っていることが多い。

特に、細かい検査結果と、電子カルテ画面と、従来の紙カルテの3者を交互に見ながらそれぞれに書き込みをする作業は、すごく集中力がいるので、電話や診察でしょっちゅう作業を中断しなければならない日中にはなかなかできないのである。(途中で止めると、戻ってきたときにどこまでやったかわからなくなって、またやり直し、とか。)完全に電子カルテになったら、こういうのも過去の「思い出」になるのだと思うが、今は仕方ない。

しかし、一番遅いときでも夕方6時少し前のバスには乗るので、多少渋滞なんかがあっても6時半には家に着く。(でも自分としてはそういう日はかなりぐったり。)このバスを逃すと、遠回りしてえら~~く時間のかかるバスしか残っていない。

ところが、日本にいる とまとまんにとっちゃ、9時とか、9時半でも結構早い、なんて域である。彼にとって遅いというのは11時、12時のことである。

このまえ東京であった妹夫婦の結婚を祝う食事会の席で、私のいとこたちも「家に帰るのは日付が変わるか変わらないかくらいの頃だよ。」と言っていた。

これを当たり前のようにこなしている彼らに私はただ驚くばかり。ナース的感覚で言えば、毎日日勤と準夜勤という2つのシフトを連続で働いているのと同じでないか。よくスタミナが持つなとおもう。そしてそういう働き方があるいみ「普通」扱いされているところが怖い、と私は思ってしまう。

で、5時台、6時台に帰る私が余裕たっぷり、暇しているかというと、決してそんなことはない。運動して(なるべくご飯の前に)、とまとまんとしゃべりつつご飯食べて、多少の家事をして、歌の練習して、メールを整理して、ブログと日記を書いて、とかやっているとあっという間に10時前後になってしまう。朝が早いので、10時までに寝るのが目標だが、毎日は達成できてない。特に、朝早く行って、帰りも結構居残っていたような日は、全部の活動が後ろにずれずれになって、リズムが完全に狂う。

私の場合、自分ケアをちゃんとしてないと、まんまと仕事に響く。いろいろなことに気づくセンサーが鈍るし、なにより元気が持たなくなる。まっとうな時間にまっとうな内容のご飯を食べる、毎日なるべく運動するといった、人様におすすめしているライフスタイルを自分自身が実践することも、ある意味私の仕事のうち、みたいな気がする。

2012年4月18日水曜日

おすすめ記事 『半世紀後のピル論争』

健康保険に避妊薬の負担を義務付けるかどうかについての論争について、ときどきブログに書いてきたが、李啓充氏が見事に書かれた記事があったので、ここにご紹介。
http://www.igaku-shoin.co.jp/paperDetail.do?id=PA02974_04

2012年4月17日火曜日

電子処方箋のウェビナー

電子カルテ完全導入にむけての研修の一環で、今日は電子処方箋のウェビナー(ウェブ上のセミナー)を受けた。簡単に言うと、パソコン上で処方箋を書いて、それが薬局に電子的に伝える仕組みだ。逆に、薬局側から医療者に対して、リフィル(いわば薬の「おかわり」)のリクエストとかもできるようになる。

IT系の専門用語や略語がたくさんでてきて、1時間半休憩なしは苦痛だった。今回はアドミン版の内容だったのだが、なぜか私も参加しないといけなかった。

今週後半には、私のような末端ユーザー向けの別の回がある。こちらはもっと分かり易いとよいのだが。はー。

2012年4月16日月曜日

健康保険会社の切り替え

福利厚生の一環としてわれわれ職員に提供されている健康保険の提供会社が来月から変わることになった。それで新しい保険の説明会へ出席するよう求められ、参加してきた。

Deductible (控除免責金額)はいくらか、かかりつけ医や専門医にかかる際のco-pay (自己負担額)はいくらか、ER(救急救命室)に行った際の自己負担額は、など細かく説明を受けた。

印象的だったのは、ER のco-pay が100ドル以上するのに対して、 urgent care のほうは数十ドルであったこと。つまり、urgent care で対応できるタイプの問題は、なるべくそっちに行ってね、という保険会社からのわかりやすいメッセージがここにある。

urgent care とはここ数年で急速に広まってきたタイプの医療機関である。これは"urgent=緊急の" という言葉が示すごとく、予約なしで飛び込みでかかることができる点では 従来のemergency room に似ているが、バックに入院設備を備えているわけではなく、あくまで救急外来といえよう。大やけど・大怪我、生死を争うような救急はやはり 病院のER に行く必要があるが、そこまででないけど悠長に予約している場合じゃない程度の救急事態には、urgent care がかなり対応している。(予防注射とか、糖尿病のスクリーニングのための血液検査とかもしている点からすると、「緊急事態」以外も扱っている。)

利用者側としても、ERで長時間待つよりは、 urgent care でさっさとみてもらって(見てもらえる範疇の問題であればだが)、さっさと決着をつけられれば楽である。

ほかに、3段階のカテゴリー別の処方薬の事故負担額、メール(郵便)オーダー専門薬局のこと、などなど説明を受けた。「被保険者」の立場として保険のことをいろいろ説明してもらえるのは面白かった。

私はありがたいことに健康にとても恵まれていて、薬といっても普段はビタミン剤くらいしか飲まないのだが、自分自身あるいは家族が何か病気を抱えていて特定の薬を飲んでいる人にとっては、それらの薬が今度の保険会社のformulary (いわば、保険会社のお気に入り薬リスト)に含まれているか(含まれていないと、自己負担がぐっとあがる)は極めて重要な問題である。また自分のかかりつけの医療者が今度の新しい保険の対象になっているかどうかも、確認する必要がある。




甘いトムヤンクン

先月タイ料理のレストランでトムヤムクンを頼んだところ、何だかとても甘くて拍子抜けした。今月また別の友達と別の店でトムヤムクンを頼んだところ、これがまた同じように甘かった。

ウェイトレスをしていた女性(タイ人)いわく、ピッツバーグにあるタイ料理屋や、多かれ少なかれ味をアメリカ人好みに変えているそうな。

アメリカにある日本料理レストランは、あくまでアメリカ風日本料理のところが多い。郷に入れは郷にしたがえというか、お客さんの好みや要望にこたえていくと、自然とそうなっていってしまうのだろう。ビジネスやし。

でも甘ったるいトムヤムクンって、やっぱり残念。せめてメニューに、「本格派トムヤムクン」、「アメリカ風トムヤムクン」とかって、表示があったらいいんだがなぁ。

2012年4月15日日曜日

春の花展

Phipps Conservatory、いわゆるピッツバーグの植物園の花々です。きょうでSpring Flower Show はおしまいです。5月上旬には Summer Flower Show がはじまります。毎回の展示、かなり見ごたえがあります。日本庭園みたいな場所もあって、つつじがきれいでした。ボタンも咲き始めていました。

紙カルテからの要約

電子カルテの完全導入にむけてのトレーニングが始まった。残念ながら従来のカルテの内容は、すべて電子カルテに移行されるのではなく、ごく限られた要約のみを電子カルテに手入力で移行するのだそうだ。

で、この作業の練習を実際に行ったのだが、現実の場面では、おもに受付担当のメディカルアシスタントたちがこの作業をすることになっている。

そうすると、プロブレム・リストにあがっている禁忌薬、既往歴、今現在の服薬状況、過去の子宮頸がん検診(パップスメア)の結果、などが読めないといけない。

この「読む」という作業は、単に文字として読めるというだけでなく、それが何を意味するかある程度わかっていないと出来ない作業だ。メディカルアシスタントの力量にはかなり差があるので、心配である。

電子カルテを導入する施設によっては、既存のカルテからの要約や移行をまったく行わず、あたかもすべての患者さんが新規の患者さんであるかのようにカルテを一から作り直すところもあるそうだ。

どちらがよいか、一長一短あるだろう。

2012年4月12日木曜日

顕微鏡のなしの診察

某大学の学生健康センターに出張すると、そこには残念ながら顕微鏡がない。患者さんの自覚症状や、膣分泌物の見た目から、カンジダ膣症や細菌性膣炎の診断が自信もってできるときはいいが、患者さんの訴えや自分の見た所見にもう少しプラスアルファの情報がほしいときに、顕微鏡が使えないのは痛い。

患者さんが「また細菌性膣炎ですわ。」と勘ぐっていても、顕微鏡下でトリコモナスが泳いでいるのを確認できたりするのは、顕微鏡による観察ならではである。

昔行っていたとある出張先の診察室には、ライトがついたり消えたりする大変気まぐれで古い顕微鏡があったが、根気よくしばらく待てばまた使えたので、今思えばないよりずーっとましであった。

どこかで眠っている顕微鏡が手にはいらぬものか。

2012年4月11日水曜日

オフィスの大変化

おなじカウンティー(郡)内に位置する、おなじ系列の診療所がわが診療所に吸収されるようなことになった。しかも短期間のうちに。

それに加えて、5月から完全に電子カルテに移行することがきまった。完全電子カルテ化はいずれ起こることだったが、来月からと決まったのはごく最近のこと。

そんなこんなで、ただでさえ今月いろいろな行事が入っていたというのに、そこへさらにミーティングやら、電子カルテ使用のためのトレーニングやら、ギュウギュウに詰め込まれる。そのうえ何もない日にはその分ほかの日からのしわ寄せゆえに予約数が増える。

というわけで、ハード。

でも今日はもともと予約していたとおり歯医者に行くために午後2時で撤退したので、よい(?)休憩になった。でも、異常検査結果の山を残してきているので、明日出張の前に少しでも追いつかないといかん。

2012年4月10日火曜日

また冬

寒い。先月突如来た夏はどこへいってしまったのだ。

明日の天気予報: Rain and Snow Mixed、だってさ。

2012年4月9日月曜日

学生インタビューのその後

NPにインタビューをするという宿題のため、私にコンタクトしてきたペンシルバニア州東部の学生 Sさんから、今日丁寧にお礼のメールがきた。

なんでも、例の宿題で100点満点を獲得し、先生からのコメントもとてもよかったそうだ。「ぜんぜん見ず知らずのわたしのために協力してくださりありがとうございました。いいものになるよう一層の努力(went extra mile) を賜りました。」とあったが、そこまでいわれると恥ずかしい。頑張ったのは彼女であって、私じゃないし、むしろインタビュー項目に答えるにあたって考えをまとめたのは、私にとってとてもよかった。

「何か私にできることがあれば、何でもおっしゃってください。例えばなにかのボランティアですとか。」と、どこまでも丁寧なSさんである。

私が言えることは、「もし私が何かお役に立てたのでしたら、そのお返しは、将来あなたがだれか別の学生さんにやったらいいのですよ。」ということだ。

それはちょうど、自動車の運転免許を取れたあかつきに、まだ車に乗れないだれかを乗せてあげることに似ているとおもう。その「だれか」は自分が免許を取る前に自分を車に乗せてくれた人びとと、かならずしも同じではないのだけど、心の中では「お返し」をしている気持ちなわけだ。

それでいうと、私がNP学生時代に先生やプリセプターから受け取ったたくさんのことを、私はまだまだ世にもひとにも十分「お返し」できてない。たぶん、一生かけて借金返済だー。

「知らないから、分からないからこそ、あなたは勉強(実習)に来ているんでしょ?」といって、辛抱づよく面倒見てくれた先生たち・プリセプターたちのことを思うと、胸がいっぱいになる。

こちらはSさんにインタビューを受けたときの日記。
http://koimokko.blogspot.com/2012/03/np_21.html

2012年4月8日日曜日

人生は敗者復活戦

今日はイースター。ひさびさに教会へ。(じつに、クリスマス以来。)

今日のメッセージの主題(私の理解の範囲で)は以下のとおり。

人生は敗者復活戦ですよ。何が起きてもだいじょうぶ。
先のことは今の自分たちにはわからないけれど、
どんな状況にあっても、常に希望がある。

自分の見る向きを変えることです。
自分の暗い影を見続けることもできるけど、
後ろから照っている光のほうを向くこともできる。

苦労の多い人ほど、受ける光も強い。
苦労の多い人ほど、人のことがよくわかるようになる。

人生は敗者復活戦ですよ。

以上、イエスの復活の話、もっといえば聖書そのものの話を
抜きにしても十分理解できる話であった。

2012年4月6日金曜日

抄録が通った

先月学会に応募していたある抄録が受理され、秋にある学会で口頭発表させてもらえることになった。これはとっても名誉なことである。共同研究者の人と一緒にがんばってきた甲斐がある。学会にむけてもがんばろー!

2012年4月5日木曜日

ご飯と水と声の質

今週は、月・火ともに昼はバナナを口に突っ込むのがやっとであった。昨日は2時に弁当を食べられた。今日はまっとうに、12時15分には弁当にありつけた。

「バナナがやっと」のような日は、水を飲むのも、下手するとトイレに行くのも忘れがちになる。すると、夜歌の練習をしようにも、声ががさがさで練習にならない。だからぜんぜん楽しくない。歌う直前だけがぶがぶ水を飲んでもあんまり効き目がないみたい。

昨日は弁当を食べられたせいか、声のかんじが少しましになり、今日はさらに改善した。歌は体が楽器なだけに、無理できひんなー、と思う。

2012年4月4日水曜日

目の前のピザ

毎週行っている、ピッツバーグ郊外の診療所。

先日は患者さんの「ドタキャンおよび予約あるけど無断で来ない」の率が珍しくとても低く、忙しかった。昼休みがまったくとれず、わたしはバナナ一本だけ何とか突っ込んで、午後の診察をしていた。そこへ待合室からピザのにおい。

Aさんを診察室に呼ぶと、Aさんはピザを片手に現れた。ま、そのくらいはまだいいのだが(おいしいにおいはしんどかったが)、Aさんは私と話をしながらピザを食べた。そして、食べ残りをぽいっと診察室内のゴミ箱に捨てた。

そんでもって、携帯電話がなると、「今診察してもらっているから、あとでかけなおすね~~」とわざわざ電話に出て伝えてた。

よく10代の子たちが、診察中も携帯メールを書き続けようとするケースをみて、「診察がおわるまでは携帯電話は置いといてね。undivided attention をちょうだいね。」とその場で言うのだが、Aさんの場合は60歳代で、かつ自分がそういうことを頼む気力に欠けていた(お腹すきすぎ?)ので、その場でぱっと何も言えなかった。

でも診察の最後に、言った。
「この診療所はとても小さく、待合室もむっちゃせまいです。だから食べ物のにおいは一気に全体にひろがります。においは他の人にものすごく不快なこともあります。今度からは食べ物持ってこないでね。携帯電話も他の患者さんに迷惑だし、診察中はわたしもとても不愉快です。今度からはサイレントモードにしてね。」

言い方がやさしすぎたか。しかしここで驚くな。Aさんいわく、

「いやね、待合室でピザ食べた人が、一切れどお?って言うんで、じゃ、と言ってもらったのよ。で、食べようと思ったら、意外と早くわたしの順番がきちゃったもんだからさ。。。」

そういう問題ではないでしょ~~~~~。びっくり仰天。Aさんの退室したあと、わたしは ファブリーズ(消臭剤)を部屋に振りまき、ごみ箱に捨てられたピザをなんとか処理して、次の患者さんを呼び入れたのだった。そして、一日の終わりには、待合室の小さなゴミ箱に突っ込まれた、大きなピザの箱を片付けたのだった。

2012年4月3日火曜日

結婚をひかえている人向けの情報

CDCのウェブサイトに、結婚を控えている人向けの to-do list があるのを見つけた。結婚前って、幸せいっぱいながらも、同時になにかとストレスも多いーーその時期を健康で安全に乗り切るためのヒントが満載だ。

http://www.portal.state.pa.us/portal/server.pt/community/cancer/14165/colorectal_cancer_control_program/707417
リストのトップにきているのは、運動、それも週に最低でも2時間半すること。つづいて、健康的な食事、禁煙、ストレス対策、健康診断をうけること、など。

結婚式やハネムーンにおける注意点、パートナーからの暴力についてもおさえている。

書いてあること自体は、別に結婚と関係なくだれにとっても大切なことが多い。結婚ということをひとつのきっかけとしてこれまでの生活をみなおす、そしてますます健康的なチョイスをしていく、という意味でいい資料だとおもった。

2012年4月2日月曜日

10代の患者さん連続4人

中高生の患者さんは、学校の授業があるから、午後の診察枠のさいごの方に予約をいれていることが多い。単に初診というだけでなく、婦人科自体にかかるのが生まれてはじめてということも珍しくない。今日はそういう患者さん15-17歳が4人立て続け(友達同士)だった。げっそり疲れた。

なぜ疲れるか。説明することが多い(少なくとも、プロトコル上)。守秘義務の話にはじまって、緊急避妊ピルの話、日常的につかう避妊方法の話、葉酸摂取のこと、検査結果をどう連絡するかなどなど。わたしも単なるばかじゃないので、壊れたレコードのように同じことを繰り返しどの患者さんにもいったりはしない。 Tell me what you have heard about ~~. (~~についてどんなこと知ってる?)みたいに患者さんに言ってもらう方法をとったり、話の流れの中で話題の順番を変えるし、パンフレットやチラシを活用して、なるべく要点だけおさえるようにしてるつもり。

だけど、これらの情報について患者さんが知っている内容が10戦10敗みたいなこともあるし、あ、彼女このままなら遅かれ早かれ妊娠して(or 性感染症にかかって)戻ってくるな、みたいなことも多々あり、20代以上の患者さんのようにはなかなかスムーズにことが運ばない。ボスにはその辺のところがなかなかわかってもらえないのが残念。(なにぐずぐずしてるんや、みたいな。)

もっとも、私が言いたいことだけ言い続けても、彼女たちの耳は素通りになる可能性が高いことを踏まえておかないといけない。何はともあれ、彼女たちにとって「婦人科だけはごめんだね。」という状況にはならないように、快適な?診察を心がけるのだが~~~

2012年4月1日日曜日

褒めて伸ばす

歌の先生の指導でいつも感心するのは、私がどんなにみじめな歌い方をしていても(少なくても自分ではそう思っていても)、必ずや1つ2つ褒めることだ。その上で、今度はここに注意してみよう、こういう工夫もしてみよう、という提案をされる。

練習不足で、「あー明日は休んじゃおうか。」なんて思っても、行けば必ず予想以上の進展がある。ぼろぼろだと思っていても、「ここはすごくよかった。」なんて言われちゃうと、「あら、そ~お~?」っとやる気全開になる。

かつて幼いころ、私のバイオリンの先生はめったなことがない限り褒めてくれなかった。母との練習なんて、けんか以外の何物でもなかった。もっともそれは、私がかなりの落ちこぼれ生徒であったということが一番の原因であるとおもう。だが、褒められると調子に乗って頑張れるタイプの私としては、現在の先生の教え方がとても好きだ。

とまとまんが言うには、この違いは、楽しみとしてやるか、上を目指すかの違いだという。そういう考え方もあるとおもう。けど、いずれにしてもプロの道を目指している(いた)わけでもない。気分よくやって、かつうまくなれたら、お徳なんじゃないだろうか? ダメだしタイプの指導、つまり、叱られて「なにくそ!」と思いながらやるのが好きな人もいるのだろうが、私はそういうの苦手。

このたった2例で日米の教え方の違いについて結論付けるのは危険だし、言い切るつもりもさらさらないが、ひとつの個人的な例&感想としてご紹介。