興味深い記事を紹介したい。
論文タイトル Reason for Not Vaccinating Adolescents: National Immunization Survey of Teens, 2008-2010
(小芋訳:思春期の子どもに予防注射を受けさせない理由:全国10代予防注射調査から 2008-20010年)
http://pediatrics.aappublications.org/content/early/2013/03/12/peds.2012-2384.full.pdf+html
10代の子どもを持つ親が、子どもに予防注射を受けさせない理由について調べた調査。HPVワクチンを受けさせない理由がTdap (破傷風、ジフテリア、百日咳)やMCV4(髄膜炎菌4価ワクチン)を受けさせない理由と違う傾向があることをこの論文は指摘している。
HPVワクチンを受けさせない理由として「子どもが性行動をしていないから」というのと「安全性の心配、副作用」というのが目立って多かった。
懸念すべきは、HPVワクチンを受けさせるつもりはない、という親がこの調査期間2008年から2010年の間に39.8%から43.9%に増えているという点。
診療する側は以前にも増してワクチン接種を推奨しているにもかかわらず、HPVワクチンに関しては受けさせるつもりがない親が増えているということは、単に推奨するだけのアプローチではあかんのと違うか、とこの論文は話を締めくくっている。
患者さんを診ていると、「HPVワクチン? そんなん何年も前にとっくにやったよ。」という患者さんが徐々に増えつつある一方、「母は受けなくていいといったので、受けなかった。」とか「まだ新しくて不安です。」と言う患者さんも依然多い。短い診察時間の中で、HPVワクチンを進めるのは大変。
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