2011年9月26日月曜日

SMARTな目標

無保険もしくは不十分な保険しかもたない低収入の女性を対象に、心血管系疾患予防を目的とした WISEWOMAN というプログラムがCDCの先導で進められている。http://www.cdc.gov/wisewoman/

具体的な内容としては健康歴・家族歴をレビューし、おもに血圧、BMI、ウェスト・臀囲の比、コレステロール値、血糖値の5項目をスクリーニング項目として測定・検査する。すでに糖尿病と診断を受けたことのある人は、血糖値のかわりにヘモグロビンA1c を調べる。そして、その結果をもとに生活習慣改善案をたてたり、場合によってはプライマリケアの診療所への受診を勧めたりする。(時にER受診を勧めることも。)

このプログラムを使うにあたって、患者さんが記入しなければならない同意書や、問診表やそのほかのたーーーーくさんの紙は非常に使い勝手が悪く、頭にくることが多い。(これはCDCではなくて、州の Department of Health の問題かもしれないがよくわからん。)

この私の怒りは置いておいて、生活習慣の改善を促すためのカウンセリングをいかに有効なものにするか、ということを学ぶためのトレーニングがあった。

「生活指導」ではなくて、患者さんと医療者が協働していい話し合いを持つべく、いろいろと頭と手を使うようなアクティビティの紹介などがあったのだが、一番頭に残ったのは、目標の立て方の話。たぶんこれはNPプログラムのどこかで習っていたとは思うが、"SMART"という言葉ですっきりとまとめている点がすてきなのである。

Specific  特定の(漠然としたものではなくて、具体的に)
Measurable  測ることのできる (何回、何kg、何時間、などなるべく量的に)
Achievable   実現できそうな
Realistic   現実的な
Time bound  時間枠をともなった  (1日何回、1週間に何回、あるいはいつまでになど)
目標を立てようということ。

例えば、「もっと野菜を食べるようにする。」とか「もっと運動する」という目標を立てる代わりに、
「これから2週間の間、朝・昼・晩、毎食最低2種類の野菜を食べる。」とか、
「これから3週間の間、毎日合計15分以上歩く。」等というように。

今回のトレーニングにはNPだけでなく、メディカルアシスタントやオフィスマネジャーらも参加していた。彼らはロールプレイなどの場面になると、「どーせ私らがカウンセリングするわけやないしー。」という冷めた態度で困ったものだった。医療提供者じゃなくても、一個人として今回のトレーニングの内容で参考になることはたくさんあったとおもう。

人様の健康をサポートする組織に勤めながらも、タバコを吸い、食生活にはいい加減、運動もたいしてせず、案の定肥満体型というスタッフは少なくない。NPでいながらスモーカーなんて、私にとっては全く信じられないのだが、そういう人もいる。人間だれしも完全でないが、みなそれぞれ自分なりの SMARTな目標をたてて、それに向かって過ごせたら、どんなにいいだろう。心臓病や糖尿病やそれに伴う苦痛や不便な生活がぐっと減ること間違いない。

NPあるいは看護師・助産師・保健師たる自分としては、勤務時間だけでなくそれ以外のときも、やっぱり変わらずnurse として周りのお手本というか、少なくともいつもそれを目指す心構えを自分は持っていたいと思う。看護師の倫理綱領とかCode of Ethics for Nurses ほどお堅い文章でなくてもね。

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