2011年9月7日水曜日

フクザツな検査結果

30歳以上の女性に子宮頚がん検査をするとき、
  • 細胞診: 簡単にいうと細胞の形・大きさをみる
  • HPV 検査: ハイリスクのHPV(ヒトパピローマ・ウイルス)型の有無をしらべる
の2本立てで行うことが多い。
過去に特に子宮頸がんや高度異型性の既往がない女性で、上記2項目が陰性であれば、子宮頸がん検査の頻度を3年に1回くらいに引き延ばすこともできる。(ただし1年に一回の健診は変わらず続けるべき)

細胞診に異常があれば、その程度により、コルポスコピーといって子宮頚部を見るための特別な顕微鏡を使った精密検査をする。

細胞診は正常だけどHPV 検査に引っかかったとき、検査センターはさらに HPV16型と18型の有無を調べてくれる。このふたつがハイリスク型のHPVのなかでも特にたちが悪い。もしこの2つのいずれかが見つかれば、コルポスコピーで精密検査をする。

細胞診が正常で、かつHPV検査そのものには引っかかっても、HPV16型と18型が見つからなければ、細胞診とHPV検査の両方を1年後に再検査する。

細胞診とHPV検査とを組み合わせることで、子宮頸がん検査の精度はあがるし、両方良好であれば検査の実施間隔を広げられるというメリットもある。ただ、この2つの検査は何を調べるのかとか、どういう意味があるかとか、どのくらいのタイミングで検査が必要なのか、といったことを、患者さんの過去の経過もふまえて説明する必要がある。でないと、「友達のAさんは毎年パップスメアを受けているのに私のNPは2-3年に1回しかパップスメアをしてくれない」とか、「ハイリスクHPVが見つかったのに、今何にもしないなんて。」といった誤解を患者さんに与えることになる。そもそもHPVとは、ということからおさらいしないといけない。

というわけで、説明は従来よりもいっそう大事。検査結果を電話で伝えると、ちっともお金にならないが、やっぱりだいじ。本当は電話じゃなくて、患者さんの顔を見ながら、図や写真を使って説明したい。資料は適宜郵便で送ったりするが。

ちなみに、系列のオフィスのNPで、異常検査に関してはなるべく面接して詳細を伝える、という人もいる。だけど、その場合もだれかが患者さんに電話や手紙で連絡することには変わりない。そもそも連絡するだけでも大変なことだし、面接の予約をとっても本当に患者さんが現れるかは未知数だし、面接という方法もやはり大変だとおもう。

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