これに対し、日本産科婦人科学会、日本産婦人科医会など4団体は、専門家の立場から、HPVワクチン接種の勧奨再開を求める声明を共同で出した。
読者のみなさまには、ぜひこれに目を留めることをお勧めする。
http://www.jaog.or.jp/news/PDF/HPV2013.12.26.pdf
次の2つの部分を引用したい。
厚生労働省からHPV ワクチン接種勧奨の一時中止勧告(6 月14 日)が出されてから6 か月以上が経過した。この間に、日本では約1500 人以上の女性が子宮頸がんで亡くなって、多くの家族に悲劇をもたらしている
(中略)
本ワクチン接種の勧奨中止が現状のまま継続されることになれば、十数年後には世界の中で日本だけが子宮頸がん罹患率の高い国となる可能性が懸念されている。
引用終わり
接種することによるリスクを過大視するあまり、接種しないことによるリスクが過小評価されてしまって、せっかくのワクチン接種の機会を逃してしまうのは、とても悲しいと私は思う。もちろん、慢性疼痛などの副作用が出たときの対応・対策を充実させることは重要だと思う。接種することのベネフィットとリスクだけでなく、接種しないことによるベネフィットとリスクをしっかり見極めて、国の推奨が早く再開されるとよいと思う。
ワシントンポストによる記事
http://www.washingtonpost.com/national/health-science/2013/12/25/4c9e2a16-69c2-11e3-a0b9-249bbb34602c_story.html
CDCの記事
http://www.cdc.gov/media/dpk/2013/dpk-2013-review.html#la
私の役割は、診察室で出会う大学生の患者さんの中でワクチンをまだ受け損ねている人、また3回接種のうち1回あるいは2回しか受けていない人をシラミつぶしに見つけて、改めてHPVワクチンの接種を勧めることだ。中には今まで誰にも勧められなかった、とのたまう学生もいないわけではないが、それよりも「ママが必要ないと言ったので。」などと、母親が抑制因子になっている例が多い。
18歳以上で、自分自身が意思決定できる年齢にある患者さんには、これからは「ママの方針」から卒業して、自分で自分の健康づくり・判断をしていくよう促し、なぜHPVワクチンが勧められているのかを話す。
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