従来インフルエンザにより罹患して打撃をやすいのは、子ども・高齢者・妊婦といった免疫力が比較的弱い人たち。ところが今年の米国内のインフルエンザの流行は、成人の中でも若年層や中年の発症者が相次いでいると報告されている。元気で若い20代30代の人たちが、入院して治療を受けるような重症になってしまうことも。
若い頃にH1N1型の流行を経験したことのある高齢者層と比較すると、その時にはまだ生まれてもいなかった今の若い大人の人たち、かつインフルエンザ予防接種に消極的なこの世代は、まんまとH1N1型インフルエンザにかかりやすい、というシナリオだそうである。
「私は(僕は)インフルエンザにかかったこともないし、インフルエンザ予防接種を受けたこともありません! 親もずっと、べつに受けんでいいっていう方針だったし〜。」とちょっと偉そうに診察室で私に宣言しているような学生達が、まさに危険な世代である。
授業に出て、たくさんの人と教室内でくっつきあって座っているだけでも、風邪やインフルエンザをもらうには最適な環境。加えて、託児施設やレストランなど、子どもや不特定多数の大人と多く接触するアルバイトをしている学生も少なくないから、学生自身の身を守るという意味だけでなく、周囲で彼らに接触する人たちの健康のためにも、ワクチン接種を強く勧める。
「注射の針がどうも苦手で〜。」と、サラリかわそうとする患者さんには、
「今年は特に、20代30代の元気で健康な人まで、ICUに入院して生死をさまよっているケースもあるんです。今日たった1本の予防注射をするだけで、あなたが入院したり、何本も注射や点滴をされるリスクがぐっと小さくなりますよ。」と言ったり(おどし?)することもある。
残念ながらうちのクリニックには、鼻に注入する霧状タイプのインフルエンザワクチンは置いていないので、学外の医療機関でそのタイプを探すというオプションについても紹介する。
あとは、
「普通の風邪でも治るのに1週間弱はかかって、不便なことこのうえないでしょう? でもインフルエンザだと、症状がもっともっと重症で、授業に出るどころかベッドから起き上がることさえしんどいことも多いです。1週間またはそれ以上まるまる授業に出られなかった分を取り戻すのに苦労して、残念ながら単位を落としてしまった学生の姿も見てきました。(他のスタッフに聞いた話。)私としては本当に残念無念で。。。」とか。
ここまでくると、しつこすぎるか。
最後まで断固ワクチン反対!という姿勢を崩さない患者さんには、
「よかったらまた考えてみてくださいね。そして気が変わって、予防接種をうけてもいいという気持ちになったら、いつでも飛び込みでいいから戻って来てくださいね。」
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