2012年4月4日水曜日

目の前のピザ

毎週行っている、ピッツバーグ郊外の診療所。

先日は患者さんの「ドタキャンおよび予約あるけど無断で来ない」の率が珍しくとても低く、忙しかった。昼休みがまったくとれず、わたしはバナナ一本だけ何とか突っ込んで、午後の診察をしていた。そこへ待合室からピザのにおい。

Aさんを診察室に呼ぶと、Aさんはピザを片手に現れた。ま、そのくらいはまだいいのだが(おいしいにおいはしんどかったが)、Aさんは私と話をしながらピザを食べた。そして、食べ残りをぽいっと診察室内のゴミ箱に捨てた。

そんでもって、携帯電話がなると、「今診察してもらっているから、あとでかけなおすね~~」とわざわざ電話に出て伝えてた。

よく10代の子たちが、診察中も携帯メールを書き続けようとするケースをみて、「診察がおわるまでは携帯電話は置いといてね。undivided attention をちょうだいね。」とその場で言うのだが、Aさんの場合は60歳代で、かつ自分がそういうことを頼む気力に欠けていた(お腹すきすぎ?)ので、その場でぱっと何も言えなかった。

でも診察の最後に、言った。
「この診療所はとても小さく、待合室もむっちゃせまいです。だから食べ物のにおいは一気に全体にひろがります。においは他の人にものすごく不快なこともあります。今度からは食べ物持ってこないでね。携帯電話も他の患者さんに迷惑だし、診察中はわたしもとても不愉快です。今度からはサイレントモードにしてね。」

言い方がやさしすぎたか。しかしここで驚くな。Aさんいわく、

「いやね、待合室でピザ食べた人が、一切れどお?って言うんで、じゃ、と言ってもらったのよ。で、食べようと思ったら、意外と早くわたしの順番がきちゃったもんだからさ。。。」

そういう問題ではないでしょ~~~~~。びっくり仰天。Aさんの退室したあと、わたしは ファブリーズ(消臭剤)を部屋に振りまき、ごみ箱に捨てられたピザをなんとか処理して、次の患者さんを呼び入れたのだった。そして、一日の終わりには、待合室の小さなゴミ箱に突っ込まれた、大きなピザの箱を片付けたのだった。

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