2009年3月6日金曜日

インプラノンのメカニズム他

午後はクリニックのスタッフ全員参加のミーティングだった。前半は、ティーナがインプラノンという皮下埋め込み型の比較的新しい避妊法の説明をしてくれた。上腕の内側に、楊枝サイズのちっちゃい棒を注射に似た要領で挿入する。体はこの棒から毎日すこしずつほぼ一定量の黄体ホルモンを吸収する。インプラノンが働くメカニズムは3つある。1)一定量の黄体ホルモンが体内にあることで、体は「妊娠している」と勘違いするから、排卵が起こらない。2)仮に排卵がおこったところで、子宮頚管(子宮の入り口付近)の粘液は精子くんが子宮に入りにくい性質に変化しているので、精子くんは子宮の中になかなか入って行けない。ゆえに受精も起こりにくい。3)さらには、たとえ勇敢な精子くんが卵子ちゃんと出会い受精したところで、子宮内膜(受精卵のためのベッド)はふつうよりも大分うすくもろくなっているので、うまいこと着床できない。こういう3つの働きで避妊が可能となる。薬の種類としては、ホルモン付加IUD(Mirena、日本でもミレーナ)や注射薬であるデポ・プロベラといっしょ。

ティーナはこういったメカニズムに加えて、患者さんからよくある質問の例を挙げて解説してくれた。

ピルやデポプロベラは、患者さん自らが希望されてくることが多いけど、インプラノンはまだまだ一般的には知られていない。利用する患者さんが少ないので、スタッフもまだ経験が少ない。そんなわけでみんなで改めて勉強した次第。受付や電話の対応をしているメディカルアシスタントも含めて、基本的知識を持っていることが大事だから。インプラノンの取り扱いができるのは、トレーニングを受けた医療提供者(医師、ナースプラクティショナー、フィジシャンアシスタント)に限られている。学生では講習会への参加もだめ。IUDのトレーニングは学生のときにさせてもらえたが、インプラノンのルールは厳格。私は来月、トレーニングに行ってくる。

インプラノンのウェブサイト:
http://www.implanon-usa.com

きょうは19℃まで気温が上がった。これにつられて、早く木々の芽が出てくれるとうれしい。

2 件のコメント:

  1. 医療が日々発展しているのがよく分かるね。
    日本では、使われているの?

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  2. 残念ながら、今のところインプラノンは日本では使われていません。

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