2012年6月24日日曜日

更年期症状に対するホルモン療法

代表的な更年期の症状として、
1. 体のほてりや夜間の激しい発汗などに代表される血管運動性の症状、 と
2.膣の乾きやかゆみなどの萎縮性の症状  がある。

血管運動性の症状は、閉経前数年から閉経後数年〜10年程度で多くの人が落ち着くのに対して、膣や外陰部の萎縮性の変化は悲しいことにむしろ閉経から年数を追うごとにひどくなって行くことが多い。

今年北アメリカ更年期学会が出したホルモン療法に関するposition statement は、とても参考になる。Women's Health Initiative という10年前に訳あって途中で打ち切られた大規模な治験ほかこれまでの研究結果をおさらいし直して、ホルモン療法のメリットとデメリットを個々人の事情に合わせて考えるヒントをくれる。

個々人の事情というのは、症状の重症度、年齢、子宮があるかないか、心血管系の病気のリスクの有無や程度といったことだ。話し始めたらとても長くなるこの辺りのことを、患者さん向けにわかりやすい言葉でざっと説明してくれるたった2ページの資料がまたよい。http://www.menopause.org/psht12patient.pdf

ホルモン療法の優れた点は大いに評価されるべきだが、かといって、リスクの評価をせずに誰彼にでも使えるものではない。逆にリスクの少ない患者さんが、副作用を過剰に恐れるがあまりホルモン療法を拒み続け、辛い症状に耐え続けるのもまたせつない。

また、おなじ一人の患者さんでも、年齢を重ねたり、症状が変化したり、ほかの病気を患ったりなど、状況は変化して行くから、その都度治療法を見直して行く必要がある。

2 件のコメント:

  1. こんにちは~。きのこと申します。
    昨日は長々と立ち話してしまって、すみません(と、いうと私が誰だか気付かれるかと思いますが ^_^;)
    いろいろとためになるお話が聞けてとても楽しかったです!
    ありがとうございました~!

    まだまだ先の話だと思いつつも、このネタもとても興味があります。ホルモン療法というのがあるんですね・・・。私の母が更年期障害がとてもひどかったのを覚えているので、きっと私もそれが遺伝?するのかな・・・とちょっと不安だったので、いろいろ勉強してその時期に備えたいなーと思ってます。

    では~!

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  2. きのこさん、
    昨日はいろいろとお話伺えてとてもよかったです。私を見つけてくださってありがとうございました!
    またぜひおしゃべりいたしましょう。

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