2013年10月22日火曜日

Loestrin 24 Fe の噛み砕くバージョン

経口避妊薬(いわゆるピル)で、Loestrin 24 Fe というのがあった。プロジェスティンはnorethindrone 1mg とエストロジェンが20mgの混合薬が24日。プラセボは4日(従来は7日のが多い。)、計28錠が1シートに入っている。名前に Feとあるのは、プラセボが鉄(元素記号 Fe ですね)だから。ここまで前置き。

最近になって、Loestrin 24 Fe は製造が中止され、かわりにMinastrin 24 Fe というのが出始めた。ちなみにパッケージはとても酷似している。同じ製薬会社。

Minastrin 24 Fe は、噛み砕いてから水で飲み込むタイプのピルなので、錠剤を飲むのが苦手な人には朗報だが、従来Loestrin 24 Fe を飲み込むことになんら問題がなかった人には、かえって不評だったりする。「歯に挟まって嫌だ。全部ちゃんと体に取り入れられたか不安になる。」とか。

常識的に考えて、経口避妊薬に限って言えば、chewable (噛みくだける)ピルを噛まずに飲みこんでも、薬効的にはそう問題ないはずであるが、添付文書には「噛まずに飲み込んでもOKです!」とは明記してくれてない。

薬剤師に電話したところ、「その件については製薬会社に先日問い合わせた。臨床治験は噛んでから水で飲み込む方法でしか行われていないので、噛まずに飲み込んでも同じ効果がでるとは言い切れない、との見解だった。添付文書の指示通りに使用するのがベストだ、と。」とのこと。

Loestrin 24 Fe の愛好者が製造中止のため止むなく Minastrin 24 Fe に乗り換えてくるパターンが多いと思うので、この点について添付文書でも説明すべきだったと思う。Loestrin 24 Fe の製造を中止しておきながら、この問題を臨床家に丸投げするのは不親切と感じる。

ちなみに、 Loestrin 24 Fe が製造中止になったのは、薬自体になにか問題があったからではないもよう。(想像はついていたが。)ブランド薬としては年数に期限があるので、その期限を過ぎるとジェネリック薬が登場する。ところがちょっとだけ「違った」ピルを販売すれば、それは「新たな」ブランド薬として売れる。おかしなロジックである。

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