閉経に伴う膣・外陰部の萎縮症状の一つである性交痛を適応とする薬、Osphena について以前紹介した。
http://koimokko.blogspot.jp/2013/04/blog-post_16.html
今月号のPrescriber's Letterというニューズレター(オンラインもある)によると、Osphenaひと月分の の卸売価格の平均は160ドルだそうだ。ちなみに Vagifem (膣に直接投与するタイプのエストロゲン)のほうは75 ドルとのこと。保険のあるなしや保険の種類・内容によって薬の自己負担額はピンキリであるのがアメリカの現状なので、卸売り価格はあくまで参考までに。
更年期以降、エストロゲンという女性ホルモンの減少によって、膣・外陰部の皮膚はだんだん薄く、弱く、以前にも増してデリケートになる。次のウェブサイト(英語)では、薬以外の工夫、生活習慣についても一般の人向けに分かりやすく書いているのでおすすめだ。
http://www.mayoclinic.com/health/vaginal-atrophy/DS00770
膣の保湿剤(moistulizer)は膣の潤滑剤(lubricant)より長時間効果が続くというように違いが説明されている。そもそも目的が保湿剤の方が普段のうるおいのため、潤滑剤の方はおもにセックスを楽にするためにできているのだから、当然と言えば当然だ。
一つ書き加えるとしたら、保湿剤のほうがさらりとしていて、潤滑剤のように「固まった糊」のようになりにくい点。それと、オリーブオイルや Crisco (アメリカで一般的なショートニング)はセックス時の潤滑剤としては不適かもしれないが、保湿剤としてはかなり有効かつ安価である。市販の保湿剤には値段的に二の足を踏んでしまう患者さんにも受けがよいということも書いておく。
ところで、Osphena はの適応は「閉経に伴う膣・外陰部の萎縮症状の一つである性交痛」となっているが「乾燥・不快感」ではダメだったのかな、と個人的には思う。なんだかね、セックスにポイントを絞ったのが女性に対するプレッシャーのように思えたりするのだ。
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