午後の妊婦検診で、エネルギーをすっかり吸いとられた。多弁な患者さんは苦手である。methadone 使用のせいでそうなっているのかどうか分からないが、とにかくしゃべりまくられるのだ。こういう状態のときに、「傾聴」の態度は無効である。火に油を注ぐことになってしまう。話をさえぎってでも、ペースを握らないとダメである。悲しいけど。ほんとはどうしてそんなに多弁なのかもアセスメントしないといけないと思いつつ。。
妊娠にともなう各種不快症状を理由に、職業訓練を免除してもらうための診断書を書いてくれ、と専用の診断書用紙を持ってくる患者さんが少なくない。福祉の援助を受けるのと引き換えに、毎日4時間ほど職業訓練を受けないといけないらしいのだが、患者さんたちはさまざまな理由で免除を懇願する。はいはい、と患者さんの言うことを聞くのは簡単だけど、医学的理由がなければ、employable (働けます)の欄に印をつける。
但し書きとして
・患者さんがトイレにはいつでも何回でも行けるようにしてください。
・有害な化学物質などに暴露しないようにしてください。
・35ポンド以上の物を持ち上げさせないでください。
と書き添える。患者さんには意地悪な人と思われているかもしれない。本当は不快症状を和らげるいろいろなセルフケアについてじっくりカウンセリングしたいけど、ゆっくり話し合える時間がない。可能なセルフケアについてパパッと列挙して話すくらいしか出来ない。残念。
限られた時間だと、「異常なし」を確認するだけで精一杯で、ヘルスプロモーション的かかわりが出来ない。時間通りに全員の診察を終えよ、というきついプレッシャーがかかっている中で、ふと気づくとトイレに行くのも水を飲むのも忘れてしまっている。というわけで、妊婦健診の嵐は、わたしの心身にとても悪い。患者さんにとっても自分にとっても、もう少し優しい妊婦健診が必要だと思うけど、具体策は今ちょっと思いつかない。困った。
難しいねぇ。だけど、いろんな状況に対応できるようになるための訓練も兼ねてると考えよう。
返信削除あと、疑問を持っているということは問題の存在に気づいているということ。いいことだよ。慣れきってしまうことほど怖いものはない。