2014年10月20日月曜日

Prior Authorizationの悪夢

オバマ政権の医療制度改革のおかげで、避妊薬はおおむね健康保険でカバーされるようになり、患者さんの自己負担は多くの場合なくなった。IUDやインプラントもカバーされるようになったのは非常に大きい。

一方、比較的新しいピルでジェネリックがないものなどに関しては、保険会社に自己負担を求めたり、prior authorization という事前認可を必要としていたりする。

prior authorization は、医療者側が、保険会社に対して、これこれしかじかの理由で、他の薬ではダメで、こっちの薬が必要なんや、と訴えて、承認を得ることをいう。単にこっちが好きだから、とかいう理由では、却下される。A薬ではこういう副作用がでた、B薬は効かなかった、などと全うな理由を挙げないといかん。

最近、薬のprior authorization 以上にしんどかったのは、画像診断に関するprior authorizationだ。医師と相談した結果、ある患者さんに訳あってCTをオーダーしたのだが、これのprior authorization を得るために、電話やFAXなどのやり取りで、私は結局のべ3日間で合計2時間は費やした。他の患者さんの診察を抱えながら、隙間の時間や昼休みを目一杯使い、帰りも居残ってーーー。あぁ。

結局今回はなんとかprior authorization が認めれたので、頑張った甲斐があったが、このシステムは、あたかも患者さんあるいは医療者側が「諦める」のを狙って待っているようである。

保険会社が医療システムを牛耳っていることを示す、一例である。

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