http://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMoa1400506#t=abstract
10代の患者さんを対象に、避妊薬について丁寧に教え、患者さんがどの方法を選んでもそれを無料で提供するプロジェクト(CHOICE Project) を行って3年に渡って患者さんのその後を追跡した結果、患者さんの妊娠率、出産率、人工妊娠中絶率がいずれも大幅に下がった、という研究結果。
このプロジェクトは、避妊薬について説明する際に、避妊効果の高いものから低いものの順に避妊薬の特徴を示したゆえに、長期間使えていつでもやめられる避妊法(Long-acting reversible contraceptives, LARC) すなわち IUD/IUSやインプラントの特性が強調される形となっていた。
小芋の過去の失敗談をもとにいうと、これとは反対に下記のようにメンテナンスに手のかかる順に説明していたのでは、効果の高いLARCの説明に至る前に自分の息が切れるか、患者さんが飽きてしまう。
日々飲むピル→毎週張り替えるパッチ→月ごとに入れ替える膣内リング(NuvaRing)→ 3ヶ月ごとに打つデポプロベラ(注射薬)→3年ごとに入れ替えるインプラント→3−10年ごとに入れ替えるIUD/IUS
患者さんにいつ妊娠したいですか?と尋ねて、もし1−2年以上妊娠したくないという答えが返ってきた場合は、避妊効果が高く、かつメンテナンスの楽な方法から順番に説明するのが理にかなっていると思う。そもそも、避妊効果が高い方法というのは、メンテナンスが楽で、「うっかり」という事態に陥りにくい。
もっとも、患者さんの妊娠プランや好みによっては、ピルやコンドームががベストな選択という場合もあるので、決してそれらを批判したり悪者にしたりはしないように気をつけたい。
すべての方法をひとつひとつ懇切丁寧に説明するのは、時間的に無理だし、必要もないと思うが、ざっくりとしたオプションの「幅」というのはどの患者さんにも知っていてほしいなと思う。
もっと知りたいという患者さんには、資料を渡したり、以下のようなウェブサイトを勧めて、それらを読んで質問リストを作って次回持ってきてもらっている。
ARHP.org/methodmatch (興味のある方法をピックアップして比べられるところが、まるでオンラインショッピングみたい。)
YoungWomensHealth.org (避妊方法だけでなく、若い女性向けの健康に関する情報が満載。)
とりあえず今日、あるいは今月、来月の間に思いがけない妊娠をしないために、当座の方法としてピルやパッチやリングを使いながら、その間により長期的な方法について考えて、LARC に移行するというのもよくやる。
0 件のコメント:
コメントを投稿