葉酸はビタミンBの1種で、細胞分裂のために重要な役割をはたす。だからわれらみんな生きている限り葉酸は大事。
とりわけお腹の中の赤ちゃんはひたすら細胞分裂を繰り返して大きくなっているわけで、ひときわ葉酸を必要としている。とりわけ妊娠のごく初期の時期にそのニーズがとくに著しく、もしママが十分葉酸をとっていないと、神経管閉鎖障害(二分脊椎や無脳症)を招きかねない。ママが妊娠に気づくころにはもう遅い可能性がある。
そんなわけで妊娠しうる年代の女性は毎日葉酸を400~800mcg摂取することが推奨されている。葉っぱものの野菜、イチゴやオレンジなどにも葉酸は含まれているが、そういった自然体(?)の葉酸(正確には葉酸塩かな)folate は含有量がまちまちだし、体が実際吸収できる率もあんまりよろしくない。
なので、意図的に人工的な(?)葉酸 folic acid を400-800mcgをサプリメント(例えばマルチビタミン)もしくは葉酸を添加した食品を食べること(たとえば葉酸を添加してあるシリアル)で摂取することが勧められている。
アメリカの全妊娠の半分は意図しない妊娠 (unintended pregnancy) である。ピルなどの避妊薬を使っていてもなお、飲み忘れなどで妊娠することはままある。そして、本人が妊娠に気がつくころには、葉酸が胎児にとって最も必要な時期を過ぎてしまっている。そんなわけで、妊娠する気まんまんの人だけでなく、妊娠可能年齢の女性はみんな葉酸を意識的にとるに限る。
以上の情報をぜーんぶ患者さんに逐一話す必要はないが、スタッフにはベースの知識として知っておいてほしいとおもい、今回これをテーマにした次第。ベテランスタッフは多分知っているだろうが、若手スタッフの知識はあやしいかも、、、と。
講義形式ではつまんないので、Q&A型にして、みんなで話し合ってもらいながら進めた。で、開けてびっくり。参加者の持っていたいろいろな誤解・思い込みが明らかになった。ベテランスタッフはさすがに葉酸が妊婦にとって大事、ということは押さえていたが。自分があえて説明するまでもないと思っているようなことでも、わがオフィスのスタッフにとっては必ずしもそうではない、ということを痛感させられた。
妊娠反応検査だけのために訪れる患者さんたちは、スタッフ(メディカルアシスタント)のカウンセリングだけ受けて帰る場面が多い。スタッフには、妊娠反応が陽性の女性にはもちろんのこと、たとえ陰性であっても、その機会を捉えて葉酸摂取をしっかり推奨していってほしい。(当然推奨していると思い込んでいたが、そうでなかったということが今日の勉強会で明らかになっちゃった。)
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