2011年6月7日火曜日

診療所の立地環境、賃貸料

A市にあった系列の診療所が最近B市に移転した。そこは、日本でいうホームセンターみたいな店や、ディスカウントストアや、ネイルサロンなどが並ぶ土地にあり、目の前にはそれらの店共通の広い駐車場がある。

この新しいオフィスに先日出張した。壁からカーペットから棚から、ピッカピカである。A市にあった旧オフィスにも何度か出張したことがあるが、やはり新しくてかつ広いオフィスというのは見た目がすこぶるよい。足を一歩踏み入れたときの印象が全く違う。

賃貸料は当然前のところよりも高くなったそうだが、「買い物のついで」に気楽に寄れる立地というのはかなり好条件らしく、これからますます利用者の伸びが期待できるとのこと。

ひるがえって、わがオフィスは、この新オフィスの並でない、べらぼうな賃貸料がかかっているそうな。場所が場所だけに。しかしながら、建物自体も内装も古く、どんなに掃除や整理整頓をしても、古びれ感は払拭できない。先日結果が出された患者満足度調査でも、「このオフィスはもっと近代化すべき」、「リフォームしたほうがいいでしょうね。」などのコメントが自由解答欄に書かれていた。「駐車場がないのが不便」、「周辺の駐車場がどこも高くて困る」などのコメントも。

都市の中心部に位置しているというのは、方々からバスという手段で来る患者さんにとっては重要なことだ。多少遠くても、バス一本で来ることができるから。車で来る患者さんの場合、つまりそういう社会層にいる患者さんの場合、保険を使って一般の診療所に行くという選択肢もあるかもしれないが、バスに依存している患者さんの場合、自分が利用できる医療機関の選択肢すら限られていることが結構ある。

ビジネスとして収入と支出のバランスを考えたら、郊外にオフィスを構えて、より安い賃貸料できれいな診察環境を整えたほうが賢いだろうと思う。でもそうすると、バスしか交通手段がない患者さんにとっては、非常に足が悪くなってしまう。かといって、賃貸料が身にあわないほど高かったら、ビジネスとしては破綻して、元も子もなくなる。

こういった収支計算や今後のオフィスの方向性に頭を悩ましているのは、私のようなNPではなく、オフィスマネジャーやその上の組織全体の首脳部だ。社会的責任を果たしつつ、収支上もまっとうにやっていく計画を練っていくのは、頭の痛いことに違いない。

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