Tバックの下着と細菌性膣炎の関係についてレクチャーを、というリクエストをいただきました。
レクチャーなんてものじゃないけど、かんたんに。。。
Tバックの下着は、要はヒモなわけで、歩いたりして体を動かした際に その紐が肛門付近と膣付近を前後に動きますね。すると、肛門付近の雑菌が、膣方面に配達されます~。これが膣の常在菌叢を変えちゃう=細菌性膣炎を招きやすい、というリクツです。Tバックの下着は、細菌性膣炎の背景となる犯人として、とてもnotorious(悪い意味で有名)ということです。もちろんTバックの下着をはけば必ず細菌性膣炎になるわけじゃなくて、もちろんほかの諸条件もからんでますよ。ただ経験的に、細菌性膣炎を繰り返す患者さんに、Tバック愛用者を少なからずみてます。
「なんで私ばっかりBV(bacterial vaginosis の略語)になるの!!!」とお怒りの患者さんに、膣の自浄作用についてあらためて説明し、それを妨げる要因について話をし、ひょっとしてあなたのTバックも要因のひとつなんじゃないかしら?、と説明すると、さすがのTバック愛用者も、ちょっとはレギュラーパンツを試してみようか、と一瞬は思うみたい。
Tバックが原因かもよ?と私がすぐ言ってしまうかわりに、「生活習慣のなかで、膣の自浄作用をさまたげていることって、なんか思い当たる?」とまず聞いて、患者さんに考えてもらって、ここでもしTバックの話が出てこなかったら、そこでおもむろにTバックの話を持ち出すと、さらに効果的。(だから先にどんな下着を使っているか先に聞いておくわけ。)それから、膣をきれいにしようとせっせと ビデ(douching, 膣洗浄)をしてしまっているひともたまにいます。ビデをするとbody-friendly な常在菌を失ってしまうので、むしろよくないんだけど。
下着の種類を変えるだけで細菌性膣炎から開放される見込みがあるんだったら、十分試す価値があると私なんかは思うけれど、実際患者さんが試すかどうかは、患者さんの気持ちのなかで何がプライオリティーになっているか次第。
お酒・たばこ・運動・safer sexに限らず、生活習慣を変えるというのは、なかなかかんたんではないですねー。
本当はTバックと細菌性膣炎の関係をのべた文献を探してご紹介したいところですが、とりあえず今日のところは 私の”超”経験論でおゆるしを~~~
さすが~こいもさん。
返信削除とてもわかりやすいレクチャー有難う御座います。目から鱗です。次の実習でぜひこいもさんのテクニック使わせていただきます!
かえる
おもしろい。Tバックと細菌性膣炎の関係性があるなんて!
返信削除日本人でTバック愛好者はどれくらい居るんだろうか?
返信削除それよりも、Tバック愛好者の愛好の理由は何だろう?!