2009年8月17日月曜日

子宮頚がん検診の頻度、HPVワクチンの効果と費用

Kiwiさんからいただいたコメントです:
  Pap Smearは何歳の人は、何年に一度受けるべきとか、頻度が書いてるといいかも。ワクチンも、一回受けたら生涯OKなのか、インフルエンザみたいに毎年少しずつ違う菌がでてきたりして、毎年受けたほうがいいのか、とか。
  あとは、両方ともいくらかかるのか、知りたいです。保険によって違うんでしょうけど。保険でカバーされるのか、ワクチンなどは、実費なのですか?それとも無料?

子宮頸がん検診(Pap smear)の頻度について
頻度については、書き出すとちょっとややこしい。30歳までは毎年。30歳以降は、Pap smear とハイリスクHPVが両方とも陰性だったらPap smear は3年に1回でいい。でもpelvic exam (内診)はやっぱり必要。がん以外の理由で子宮摘出術をした人は、もうPap smear はしなくてもいい。でもやっぱりpelvic exam は毎年必要。
結論: Pap smear のあるなしにかかわらず、思春期以降の女性は毎年診察がいる!! 

じゃ、この長寿の時代に、何歳までPap smear をするかだけど、これはガイドラインによってすこし違う。おおむね65歳から70歳くらいで、過去3回連続で正常かつ過去10年以内すべて正常だったら、Pap smear はおしまいにしてよい、というのが大方の見方。

つぎにHPVワクチンについて。
HPVワクチンはインフルエンザワクチンと違って、毎年受けないといけないものではない。6ヶ月の間に3回接種すれば、長期間の効果が得られることがわかっている。ただその「長期間」が生涯といっていいほど長期間かどうかは、まだ研究が不足してる。3回受けるはずのところ、1回か2回しか受けられなかった人は、6ヶ月を過ぎてからでもいいから、2回目あるいは3回目の接種を受けた方が望ましい。

HPVワクチンの費用は、1回の接種ごとに125ドルほど。多くの健康保険はこの費用をカバーするけど、必ず、というわけではない。今のところFDA(Food and Drug Administration、薬や食品の安全管理をしている国の機関)は9歳から26歳の女性対象にHPVワクチンを認可しているので、27歳以降の女性の場合は保険があっても対象外とされてしまう。なお、18歳以下であれば、政府のVaccine for Children というプログラムによって、他のさまざまな予防接種と同様に、自己負担なしに無料でHPVワクチンを受けることができる。初回だけでもVFCを通して受けておけば、2・3回目の接種も無料で受けられる。だから、10代の患者さんには、19歳の誕生日が来る前に、せめて1回目だけでもHPVワクチンを受けるように私は勧めている。将来的には、FDAの認可する年齢枠がもっと広くなるだろう、と予測されている。
http://www.cdc.gov/std/hpv/STDFact-HPV-vaccine-young-women.htm#hpvvac4

と、書き出すととても長くなっちゃった。
なので、例の原稿にはあんまり反映できない(すでに字数オーバーしてて)のですが、Kiwiさん、コメントありがとー。 Kiwiさんはもう知っていることばかりかもしれないと思いつつ、他の読者も同じような疑問を持っているかもしれないと思って、書いてみましたー

2 件のコメント:

  1. こんなにたくさんの説明が必要になるような質問をしてしまって、すみませんでした。字数、完全にオーバーですね。それに自分で理解しようとするより、専門家に「あなたは、この検査をしなさい」って言ってもらった方が楽ですね。だからこそ、Koimoさんのような専門家が必要になるんですねーkiwi

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  2. kiwi さん、

    Please never feel sorry!!
    聞かれたら、答えたくなっちゃうのです。

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