- 腕の皮下に埋め込む避妊薬、Implanon(さらに改良された新商品は Nexplanon):3年間有効
- プロジェスティンが付加された子宮内避妊具 Mirena :5年間有効
- 銅が付加された子宮内避妊具 Paragard :10年間有効
これらの長期間使える避妊効果の高い避妊薬をまとめてLARC と言ったりする。
long acting reversible contraception の略である。
アメリカは従来ピルとならんで不妊手術(精管結紮、卵管結紮)を選ぶ人が多く、LARCの浸透率は悪かった。
Guttmacher Institute の報告によれば2002年から2006年にかけて、LARC 使用率は2.4 % から8.5% に上がったとのことである。ヨーロッパ諸国と比べるとまだまだ低いが、この数年の伸びは著しい。
http://www.guttmacher.org/media/nr/2012/07/17/index.html
LARC は一度使いはじめれば、「使い忘れ」とか「間違った使いかた」という状況とはほぼ無縁であり、そのため避妊効果がとても高い。100組の男女カップルがコンドームではどんなに完璧に使ったとしても1年で2−3件の妊娠が成立してしまうのに対し、これらLARC の場合は100組につき0.2 件の妊娠 (言い換えれば 千組につき2件)程度にリスクが激減する。
LARCは出産経験がないと使えない、と思っている一般女性が多いが、決してそうではない。残念なことだが、医療従事者の中にも、LARC は経産婦にしか勧めないという人がまだまだいる。
LARCのオプションをもっと積極的に提示していけるかは、費用負担(保険がカバーしてくれるか)とともに、提供する側の知識やカウンセリング能力などがものをいうと思う。むちゃ地味な一手間、ふた手間なのだが、国全体でゆっくりながらもLARC使用率が上がっているというのは嬉しいニュースだ。
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