2011年8月8日月曜日

保険適応避妊薬の減少

今日付けで、ペンシルバニア州の医療扶助系健康保険がカバーしてくれる避妊薬の選択肢がせばまった。州財政が厳しい中、高いブランド薬よりジェネリック薬を使うように、ということならよくわかるのだが、いまいち理解に苦しむ部分がある。

Lo Ovral というピルのジェネリック薬、Lo Ogestrel を使っていた患者さんのかかりつけ薬局から、Prior Authorization Request がファックスで来た。これは保険が積極的にカバーしない薬をあえて処方したい場合に、事前に保険会社に申請書を出して、特別にカバーしてもらえるように頼む手続きのことである。申請にあたっては、この薬が好きだから続けさせてよ、とかいった理由ではだめで、医学上これでなきゃいかん、というまっとうな理由がないと、なかなか認められない。

Lo Ovral は今回の改訂でも保険でカバーされる対象薬になっていたので、ましてそのジェネリック薬である Lo Ogestrel は当然カバーされるはずである(と思った)。おかしいな、と思って薬剤師に電話をした。 薬剤師曰くLo Ogestrel ではシステム上拒否されてしまうと。じゃあ、試しにブランド薬の Lo Ovral と入力してみてください、と頼んだら、これがなんと通った。なんじゃそりゃ。

で、保険が認めてくれたはいいけど、ブランド Lo Ovral はその薬局の在庫にないので、即注文します、と薬剤師。

通常、処方する側がブランド名を処方箋に書いても、「要ブランド」と指定していない限り、薬剤師の判断でジェネリック薬に置き換えてよい。だから、私がLo Ovral とした処方を、薬剤師がLo Ogestrel とか Cryselle で置き換えるわけ。

今後 Lo Ovral を処方するときは、いちいち”Brand necessary”と書かなくてはいかんのか? へんだ。州に問い合わせるべきか。たぶん。でもどこの窓口に?

4 件のコメント:

  1. 小芋さん、
    こんにちは。
    Primary health care provider を目指す身としていつも楽しくブログを拝見させていただいています。
    私は現在CA州のDr.'s Office でRNとして働いています。

    保険会社って本当に面倒くさいですよね。
    私もよくPrior Authorization やらSingle case agreementのバトルを保険会社とするのですが、時間とお金の無駄。
    いずれはBrand medicationやProcedureをカバーせざるをえないのに、そのために無駄な検査をさせたり、無駄にジェネリックを買わせたり、結局そのお金も保険会社が一部負担するんだから、はじめっからカバーしてくれればいいのに。。。
    Medical providerの時間、患者さんのお財布にやさしくない制度ですね。

    以前、Aというお薬のためのPAを取る為にBとCというお薬を患者さんに購入してもらいました。
    ここで笑ってしまったのが、Aよりも保険でカバーされているBの方が1錠あたりの値段が高かった事。
    米国の保険って謎が多いですね。

    紅茶

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  2. 紅茶さん、
    お返事がすっかりおそくなってごめんなさい!
    コメントありがとうございます。おっしゃるように、本当になぞが多いですね。保険会社が医療を支配しているというか、牛耳っている面が否めませんね。
    primary healthcare provider を目指されているとのこと。今のお仕事での経験もきっと将来に生かされること間違いなし!

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  3. Cryselleという検索でこちらにたどり着きました。ニュージャージー州に住む娘が生理不順のためピルを処方されてそれが、これだったのです。一年くらいたって現在乳輪の下にしこりがあるというのですが、処方された病院でピルの副作用かもと言われたようです。やめて漢方薬にしようかと考えています。ピルのジェネリックがあるとも知らなかったので、今になって乳癌のリスクもあがると言われたようです。どうしたらいいのでしょう?日本でのシステムとかなり違うようで検査もなかなか受けられないみたいで、心配です。

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  4. 匿名様、

    お嬢さんの経過はお嬢さんの主治医が一番知っていますから、お嬢さん自身が主治医ととことん相談するのが最もベストだと考えます。残念ですが、本ブログでは、個人的な医療相談に乗ることはできません。悪しからず、ご理解下さい。
    小芋

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