2010年9月23日木曜日

異様な白斑

何ヶ月も前のある日、通常通りパップスメア(子宮頚部の細胞診)を行っていると、直径1cmちょっとの白斑が頚部に見えた。分泌物がついてそのように見えることもあるので、綿棒でぬぐってみたが取れない。そういうものが見えたということを患者さんに伝えたうえで、念のためにコルポスコピー(頚部を拡大してみる特別な顕微鏡を使った診察)での診察をお勧めする、と伝えた。

2週間後くらいに戻ってきたパップスメアの結果自体は全く問題なかったので、それでもあえてコルポスコピーを強行することは「やりすぎ」に終わるのではないかと私は思った。あいにく自分はまだコルポのトレーニングを受けてないので、別のNPにわざわざ来てやってもらうことになる。だから彼女が来る日(月1-2回のみ)にあわせて患者さんには再来院してもらわないといけない。患者さんの時間的&手間的負担、またほかのNPに対応してもらわないといけないということを考えると、もし全く問題ない所見だったら「ただ小芋の心配しすぎでした。」ということになり、恥ずかしいことになるな、と思った。

それでも白斑の見た目がどうも気になって、コルポの予約を患者さんにやっぱり取ってもらった。患者さんが急用でキャンセルしたり、逆にNPのほうが家族の事情で急に休まなければならなかったりして、パップスメアから数ヶ月たってようやくコルポが実現した。

で、担当したNPに所見を聞いたところでは、結果は頚部にお酢をつける前はたいして目立つ白斑ではなかったけれども、お酢をつけた途端にかなり頚部の広範囲に病変が見えたと。印象としてはCIN 2 (中等度異型性)だと。今まだバイオプシーの結果まちである。

似たような白斑を伴った患者さんが前にあって、そのときはコルポ診上はまったく問題なく nabothian cysts (ナボット嚢胞)が複数見られただけだったと担当NPより報告を受けた。そのときは「あー、やっぱり私が単に心配しすぎだったんだな。」と思った。今回の例は「なんか変」と思った自分の感覚を信じたがためにそれが役立った(と思われる)例であった。

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