乳房のX線撮影のことを、マンモグラムといいます。アメリカでは40歳以上の人は、毎年受けることが進められています。40歳より若くても、過去に乳がんになったことがある人や、家族内、とくに母親・姉妹などが乳がんになったことがある場合は、医療者の判断で早めのマンモグラムが進められることもあります。
「忙しくって、受けに行く暇がない」という人へ:
マンモグラムにかかる時間は全体で15分ほどです。マンモグラムは、「しこり」が手で触れられる大きさになる前の小さながんも見つけることが多いです。もし乳がんが見つかった場合、早期に治療を始められるので、治療や回復にかかる時間がいずれも短期間ですみます。毎年15分のマンモグラムの時間を惜しんで、マンモグラム撮影に行かなかったとして、 仮に乳がんが進行してしまうと、自覚症状がでるころには、リンパ節や乳房以外の臓器にがんが進んでしまうこともありえます。すると、治療は困難になりますし、下手すると死ぬまでがんの痛みや症状とつきあう羽目になるかもしれません。仕事や、家事や、子どもの世話や、介護などなど、1人何役もこなしている女性も多いでしょう。家族思いであるために、自分のことを後回しにしてしまう女性は少なくないと思いますが、忙しい人ほど、毎年15分のマンモグラムを惜しまずに受けてほしいと思います。受けたほうが、きっと時間の節約になります。
「痛いっていうじゃない?」という人へ:
月経のある人は、月経前の時期ではなくて、月経後にマンモグラムを受けたほうが乳房がやわらかいので、不快感が少ないとおもいます。放射線技師はなるべく不快感が少ないように、セッティングを工夫してくれるはずですが、痛みに対する不安が大きい場合は、台を暖めたりパッドをあてるなどの方法がないか、技師に聞いてみてください。技師も患者さんがなるべく快適に過ごしてくれるほうがいい画像がとれるわけなので、頑張ってくれます。なお、仮に痛みを感じるとしても、それは何分も続くわけじゃありません。撮影が終わるまでの数秒から数十秒です。ご心配なく!
「お金がないのよね」という人へ:
日本では健康保険があるので、問題ないですが、アメリカでは無保険の人も大勢います。American Cancer Society や Susan G. Komen for Cure といった組織とコンタクトをとると、無料あるいは定額でマンモグラムを撮る手段を教えてくれます。
「わたしの胸は小さいし、自分で触診できるしー」という人へ:
マンモグラムは男性の乳房の撮影も出来ます。乳房が小さくたってだいじょうぶです。自分で行う触診&観察はとても大事ですが、微細な変化を捉えるという意味では、マンモグラムの役割を見逃すわけにはいきません。
「うちの家系には乳がんはないんで、私は大丈夫」という人へ:
BRCA1, BRCA2などの遺伝子による乳がんの発現は、乳がん全体の割合からすると5%ほどと言われています。アメリカでは8人に1人、日本でも20人に1人の女性が乳がんになる時代です。そのぐらいすごくありふれたがんなので、もはや家系にないからリスクなし、というわけにはいきません。
もし身の回りでマンモグラムを先延ばしにしている人を見かけたら、以上ご参考までに。
うーん、これは、ほとんどのことについて言えるアドバイスだね。たいてい、本当の理由はめんどくさいということだろう。
返信削除自分もちくっーときます。
乳がん発生率の比較的低い日本ですが、日本人でもアメリカに移住し、この国にすんでいる人は、乳がん発生率がアメリカ人と同じになるという論文を読んだことがあります。やはり食生活が原因でしょうか。私のまわりでも乳がん診断された人けっこういます。予防と早期発見は大切ですね。
返信削除こいもさん、やはりわたしも受けないといけませんね。患者さんにも勧めるのに説得力ないですよね、私自身が受けてないと。学校が終わってからすぐに受けます。
返信削除かえる
ps本当に本当に痛くないですか?
匿名さん、
返信削除アメリカに移住した日本人の乳がん率が日本に住む日本人よりも高いという話は、私も聞いたことがあります。脂肪の摂取、肥満、身体活動が少ないこと、などはいずれもリスクファクターにあげられています。遺伝的要因以外の環境要因が、乳がんのリスクを高めるという、ひとつの例ですね。
かえるさん、
痛みは個人差が大きいので、絶対に痛くないよ!と言い切れないところがつらいです。月経のあとに撮影できるように予約してみてください。あとは熟練した技師さんに「丁寧にやってね」、と言いましょう。私は数年前に日本で2回マンモグラムを受けました。この小さいおっぱいを挟めるのか?と心配でしたが大丈夫でした。挟まれている胸の不快感よりも、首や腕を指定された位置に維持して動かないようにすることのほうが、私にとっては大変で、胸の痛みは感じませんでしたよ。さんこうまで~~