患者さんに職業を尋ねるとき、今までは "What line of work are you in?" とか、"What do you do for living?" という聞き方をしていた。だけど、この聞き方だと私の予想以上に "Nothing!" という返答が多くて、疲れてきた。つまり、現在無職、もしくは慢性的に無職の人が少なからずいるのだ。ここの地域柄と今の経済状況の両方の影響があるとおもう。
で、質問を変えてみた。今は "What's your typical day like?" などと言っている。そうすると、仕事をしているか否かに限らず、なんらかの答えが得られる。私が知りたいのは、単に職業の「名称」じゃなくて、どういった性質の仕事や活動をしているのか(していないのか)ということーーー例えば専門職なのか単純作業なのか、体を動かす仕事かそれとも座りっぱなし・立ちっぱなしの仕事か、昼間の仕事か夜の仕事か、など。患者さんの生活のリズム、社会的地位、身体活動の程度、などさまざまな要素が患者さんの返答に含まれてくることになる。誇りを持って仕事をしている人や、目標に向かって頑張っている学生さんの話はとても興味そそられる。では無職の人の話はつまらないかというと、決してそうではない。おなじ無職でも、一日の過ごし方には大きなバリエーションがある。レイオフにあい、今必死に就職活動中の人もいれば、いままでもこれからも仕事を探す予定もない人もいる。短い会話のなかだけど、いろんな暮らしぶりの一面があらわれる。
typical day の内容で聞いたことは、単に私にとって興味ぶかいだけでなく、その後の話の展開にとても役立つ。ちょっと質問の仕方を変えるだけで、返ってくる答えに思いがけず変化がみられて、ちょっとひとり悦に入っている。よかったらお試しを。
自分にこういう質問が向けられたとしますと、毎日違ったことをしていることに気がつきました。
返信削除なるほど。
返信削除たった一行の質問でも、返って来る答えがずいぶん違うものですね。勉強になりました。Kiwi
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