2014年3月30日日曜日

学外で実施されたパップテストの対応

今勤めている大学の学生さんのなかには、夏休みや冬休みなどで帰省したときにかかりつけの家庭医や婦人科医のもとで年に1回の診察を受けている人と、うちのクリニックでそれも受けている人とがいる。どちらでも私はよいとおもう。

元々、行きつけの場所があって、それで満足している人はそれでよい。一方、遠くのかかりつけ医よりも、キャンパス内のほうが実際には行きやすいことも多いので、特に大学入学後始めて婦人科デビューという場合には、学内のクリニックが便利である。

さて、
春休み中に帰省先で子宮頚がん検診(パップテスト)を受けたという患者さん。受診先のクリニックから、パップテストの結果が異常だったので、コルポスコピーを受けてくださいという手紙をもらったという。

この場合、私はもとのパップテストの結果をまず取り寄せる。スクリーニングのガイドラインは2012年に改訂され、パップスメア異常時にどのようにフォローアップするかというガイドラインは昨年4月に変わったが、旧来のガイドラインに沿って診療を続けている医療者もいる。

特に、21−24歳の軽度異形性 (low-grade intraepithelial lesion)や、ASC-US (atypical squamous cells of undetermined significance) かつハイリスクHPV陽性の場合や  は、すぐさまコルポスコピーするかわりに、1年後にパップスメアを再検査する方針になったので、コルポスコピーが必要な患者さんは以前よりもぐっと少なくなった。もっとも、ASC-USでも、cannot exclude high-grade intraepithelial lesion (高度異形性を必ずしも除外できません)なんていう但し書きが着いている場合はやはりコルポスコピーをする方が妥当である。

その辺の細かいところをよく読んだ上で、コルポスコピーが必要かよく考える。

あと1ヶ月で学期末。場合によっては、慌てて今コルポスコピーをする代わりに、学期が終わってから帰省先のもとの婦人科でコルポスコピーするという選択肢も十分あり得る話である。

0 件のコメント:

コメントを投稿