次の記事がとても分かりやすい。
税制上 non-resident の外国人に対しては健康保険に入る義務は課されず、入らなくても罰金は課されない。けれど、誰しも急に病気になったり事故にあう可能性はあるので、転ばぬ先の健康保険はとても大事だ。そんなわけで、大学によっては、大学独自の決まりとして、留学生に健康保険の加入を義務づけているところが珍しくない。
先日は某大学内の語学学校のスタッフの方から相談を受けた。無保険の留学生が予期せぬ妊娠をして、どこにかかればいいか困っていると。もちろん自費で受診するならどこにでも行けるのだが、限られた予算で生活しているとなると、費用を捻出するのが難しい。
こういうとき、米国の保険事情はとても悲惨たりうる。州によっては外国人でも比較的困難なく公的保険に入れると聞くが、必ず入れる補償はない。妊娠する前に保険に入っておけばよかったのに、と思うが、時間を巻き戻すことはできない。後悔先に立たず。
今回私はそのスタッフに、地元のあるfederally qualified health center を紹介した。federally qualified health centerは、従来から無保険の人、難民、移民をはじめとして、通常の医療機関にはなかなか行けなかった地域住民のセーフティーネット機能を持っている。医療スタッフのほかにソーシャルワーカー達がいたり、所得に応じた診療費の減免制度があったりする。そんなわけで、一般的な医療機関に自費で受診するよりもずっと自己負担が減るだろうし、願わくばソーシャルワーカーが社会的資源の水先案内人をしてくれるのでは、と思ったのだ。
元気で順調な妊娠経過を送ることは、女性本人のためのみならず、赤ちゃんのため、ひいては私たちみんなのためでもある。だからなんとかよりリソースが見つかってほしい。でも万一うまく十分な社会的資源が見つからなければ、場合によっては妊娠初期のうちに自国に帰って残りの妊娠期間をすごし出産する方が、経済的により安全、ということもあるだろう。
高齢、高血圧、糖尿病、双子、など、より込み入った妊娠であればあるほど、妊娠初期からのケアが重要。健康保険に加入していざというときに備えることと同時に、妊娠したくないときには確実に避妊できる方法を使うことが得策だ。
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