2013年9月14日土曜日

虫シリーズ4: ライム病

皮膚病変をみて自信が持てないときに、他の医師やNPを引き連れて来て一緒に考えてもらうことのメリットを昨日書いた。それと合わせて私がとても感謝していることは、少し珍しい皮膚病変があったときに、他の医師やNPが患者さんの許可を得た上で私を診察室に呼び込んでくれること。ぜひ見て目に焼き付けておきなさい、と。

ライム病の患者さんとも、まさにそんなふうに某医師が私を呼びに来てくれたことで出会えた。

その医師は私が患者さんの部屋に入る前に、こういった。「小芋、ちょっとヒントというか、患者さんの情報を教えてあげよう。患者さんは、森でのキャンプから帰った後、パートナーとお互いにマダニに食われていないかお互いの体を点検したそうだ。そしたら体の表面にまさにマダニが見つかったので、それを手でとったそうだ。その後発疹がでてきた。ほな実際に見て、何だと思うか言ってごらん。」

ヒントがあまりに教科書的なセッティングだったので、部屋に入る前にライム病かなと思い浮かんだが、患者さんはまことに見事な教科書通りのbull's eye 様の発疹(遊走性紅斑)を呈していた。

こういう一手間を惜しまず、私をぐいっと鍛えてやろうと思ってくれているメンターたちと、それに協力してくれる患者さんたちに頭が上がらない。

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