1月5日に受けたオリエンテーションのつづきが、今日ピッツバーグの本部オフィスであった。今回は全部で11人(州各地から来ている) + ファシリテーター。愉快な人が多くて、とても楽しい1日になった。今日のテーマは、
1.カスタマーサービス
2.コミュニケーション
3.多様性(diversity) だった。
どのテーマもよかったけれど、一番印象に残ったのは、多様性のところ。
人種や性別など目に明らかな違いだけじゃなくて、宗教、出身国、政治的信条、性的志向、年齢、婚姻関係(未婚、既婚、離婚、未亡人etc) 、技能職か一般職か、細かいやり方が好みかそれともおおざっぱなのが好みか、障がいの有無(見た目に分かりやすい障がいもあれば、一目では分からない障がいもある)、などなど、「違い」をもたらす項目には事欠かない。そしてその「違い」が差別やトラブルを生み出すこともある。誰しもバイアスがあるし、ともするとステレオタイプの落とし穴にはまりがち。だけど、多様であることに価値がある(逆にいうと、みんなおんなじだったらつまらんということ)。多様性とは相手を尊重すること。人間、違いを言い出したらきりがないけど、共通点を見出そうとしたら、結構あるもんよーーー大事にしている価値観、過去の経験、好きなこと、ストレスに感じていること、etc. 共通に持っているものを基盤にしていったらええんちゃうん?
・・・・というようなことを、いろんな作業をしながらみんなで確認していった次第。
ピッツバーグでは、コブシや木蓮がもうきれいに咲いていた。こういう日に限って、カメラを持っていなくて残念なことをした。今日は自分の車でではなくて、高速バスで行った。渋滞なんか気にせず、1時間以上ぐっすり眠れて幸せだった。片道の運賃は3ドル。申し訳ないくらい安い。帰りの便は満席だった。ちなみに帰りもまたぐっすり寝た。
2009年4月7日火曜日
あめ玉(?)としてのピル
経口避妊薬、俗にいうピルですが、患者さんが始めて使うときは、まず3ヶ月(月経周期×3)試してもらってます。飲み始めは、妊娠したときと似たような症状ーー軽い副作用ーー(軽い吐き気、乳房の張り・痛み)や不正出血がよく起こりますが、2ヶ月、3ヶ月と使い続けると、落ち着くべき副作用はもう落ち着いてきます。なのでその時期まではまず試さないと、患者さんが気に入るかどうかはなかなか分からないからです。3パック目がなくならないうちにクリニックに再度来てもらいます。血圧を確認し、患者さん自身がピルを気に入っていて、特に問題がないようであれば、ピルを追加処方します。1年以上ピルを使っている患者さんの場合は、1年に1回の健診の際に6パック、半年後の再診時に7パックを処方するのが、クリニックのプロトコルです。全13パックを使い切るころは、ちょうどまた年1回の健診の時期がきます。(1パックは28日分なので、13パックでちょうど1年分。) 「健診なんて別にどーでもいーけど、ピルを続けたいから仕方なく健診に来たよ。」というタイプの患者さんも少なからずいます。健診の予約をとるのが遅れて、受診日よりも先にピルがなくなってしまう、と患者さんから電話が入った場合には、1パックだけピルを追加処方します。(たいていは薬局に直接電話。)こういうときのピルは、完全に「あめ玉」って感じだな、と思います。ちなみに、ピルだけではなく、Nuvaring (膣に挿入するリング)とか、Depo Provera(注射タイプの避妊薬)を使用中の場合も、同様に1年に一度の健診を受けてもらうのが、クリニックのポリシーです。1年以上健診をすることなしに、避妊薬だけちょーだい、というのはダメなんです。(ほかの医療機関で健診を受けている場合には、そのコピーをもらって健診済みということにできます。)
避妊薬を新規に使い始めるときは、必ずしも全身の健診は不要です。ピルの処方でも、問診と血圧測定だけで本当は十分です。けれど子宮頸がんの検査、体重測定、乳房の触診をはじめとして、やっぱり1年に一度の健診は女性にとってすごく大事なので、「あめ玉」を使ってでも、来てもらうだけの価値があります。日本では、職場や学校での健康診断(男性とおんなじ項目)、また20歳以上になったら子宮がん検診としての婦人科受診はあっても、まだまだ女性としての「普段」のまるごとの健診の場、というのはまだ一般的でないのではないでしょうか。避妊薬を使うにしろ使わないにしろ、妊娠してないときの全身の健診が、もっと日本でも当たり前になるといいと思います。そのために、健診に健康保険が使えるようになってほしい。ちなみに、健診は健康状態をチェックするだけではなくて、病歴・健康歴を確認し、話を聞きながらもその間に健康教育を織りまぜて、診察を機会に患者さんがより元気に生活できるように応援する、ものすごく活動的な時間です。
水仙が開き、桜も開いてきたと思ったら、またも雪です。しかも激しく。1日中降ってました。でも気温があまり下がらないから、降ったほどには積もらず、せいぜい1-2cmですが。
避妊薬を新規に使い始めるときは、必ずしも全身の健診は不要です。ピルの処方でも、問診と血圧測定だけで本当は十分です。けれど子宮頸がんの検査、体重測定、乳房の触診をはじめとして、やっぱり1年に一度の健診は女性にとってすごく大事なので、「あめ玉」を使ってでも、来てもらうだけの価値があります。日本では、職場や学校での健康診断(男性とおんなじ項目)、また20歳以上になったら子宮がん検診としての婦人科受診はあっても、まだまだ女性としての「普段」のまるごとの健診の場、というのはまだ一般的でないのではないでしょうか。避妊薬を使うにしろ使わないにしろ、妊娠してないときの全身の健診が、もっと日本でも当たり前になるといいと思います。そのために、健診に健康保険が使えるようになってほしい。ちなみに、健診は健康状態をチェックするだけではなくて、病歴・健康歴を確認し、話を聞きながらもその間に健康教育を織りまぜて、診察を機会に患者さんがより元気に生活できるように応援する、ものすごく活動的な時間です。
水仙が開き、桜も開いてきたと思ったら、またも雪です。しかも激しく。1日中降ってました。でも気温があまり下がらないから、降ったほどには積もらず、せいぜい1-2cmですが。
2009年4月6日月曜日
なくなった本のその後
アトランタから引越しのときに送った本(主に教科書)2箱のうち1箱が紛失された。いままで待っても出てこないので、保険500ドル分(実損はたぶん1000ドル以上。送るんでなかった。)だけでも返してもらおうと、郵便局に行った。けれど、また新たな書類を書かされて、今日は500ドルをもらえなかった。しかもこれだけの手続きにものすごく待たされた。郵便局の職員が、「まったく郵便局は困ったもんだよね~~。僕はもう60過ぎたから、いつやめてもいいんだけどさ。」みたいなことをぼやくのにつきあわされる始末。前に一度問い合わせに来たときもさんざんだったが、今日もまたさんざんだった。500ドルのチェックを早く送ってほしい。でもやっぱり、今からでもいいから、元の本が出てこないかなぁ、と思ってしまう。ヘルスアセスメントの教科書、Varney's Midwifery など、今思っても涙出ちゃうよ。
今日はどんより空。雨から雪に変わっちゃった。冷え込んでる。
今日はどんより空。雨から雪に変わっちゃった。冷え込んでる。
2009年4月5日日曜日
枝垂桜 咲く
ここ1週間は、比較的まじめに運動してます。火ーYのエアロビサイズというクラス、木ー水泳20分(久々に泳いだら5分で早くも疲れたけど、粘った。)、金ーYの歩く機械(日本語の表示ができる機械を見つけて感動した。km表示もできる。)、土ー林を2マイル歩く、日ージョギング30分(最近Yは日曜日お休み)といった具合。月曜日は出張、水曜日はインプラノンのトレーニングがあったので、運動は休んじゃいました。
このところ、日曜日は続けて近所の教会に行っています。かなり高齢と思われる引退牧師が、この教会の暫定牧師(正規の牧師が見つかるまで)をしているのですが、この方、話もいいけど、歌もうまい。説教の最後を歌で締めくくることが多いです。パワフルな牧師です。ピッツバーグの日本人教会に行ってみようかな、と思いながら、こっちの教会のほうが断然近い(徒歩5分)し、車を運転する必要もないので、ついつい近いほうに行っている私。地元の人と知り合えるのもよいです。
午後は、近所のおばあさんの家に遊びに行った後、Mさんの家に行ってお茶とお菓子をいただいてきました。おしゃべりしてとてもくつろぐことができました。また明日からがんばるぞ~
2009年4月3日金曜日
正常と異常をみわけた後
助産師としての経験から、患者さんの経過が異常に移行せずベストな道をたどるように、予防に力を入れるという役目には慣れている。また正常と異常を見分けて、異常なら医師に報告するという役割にも慣れている。しかしNPとしては、それでは不十分。異常ならそれはなんなのか、それを探るために何が必要なのか、原因がわかったらそれにどう対応するのか、そういったことをもっと考えないといけない。(助産師のときこれらを考えていなかったという意味ではない。念のため。)異常の程度も見極めないといけない。仮にエマージェンシーな状況だとして、それはどのくらいエマージェンシーなのか、とか。どこまで自分で対応できて、どこからはより適切な人につなぐべきか、というライン引きも必要。
たとえば血圧の上昇、尿蛋白などの所見から、「これは妊娠高血圧症候群の可能性が高いぞ。」とおもったとする。ほかの随伴症状の有無について確認する。ここまではとてもスムーズ。だがそこから先のプランニングで私はすごくぎこちない。24時間尿や血液検査の結果を見るのはしょっちゅうやっていたことがあるのに、それらをオーダーする側となると、とてもたどたどしい。
別の例としては妊娠中の頭痛。軽い頭痛ならセルフケアの方法を話し合うことで対応できる。けれど強い頭痛だったりすると、悩ましくなる。吐き気・嘔吐、目の症状、四肢の感覚異常など、症状が華やか(?)であれば迷わず「病院に行ってください」、と言える。そこまでの状態ではないけど、かといって大丈夫ですよとも安易にいいがたい状態のとき、迷う。病院に送るべき? それとも内科主治医の受診をすすめるべき? 今? それとも別のタイミングで? 画像診断は必要? 私がオーダーすべき? いや、私がオーダーしたところで、その結果を解釈できないだろうから、わたしはするべきじゃないだろう。ーーといった具合にぐるぐると考える。自分の中での結論が出てくるまでにとても時間がかかる。
エモリーの先生の1人が、一看護師という立場から、NPという一healthcare provider (医療提供者)になるのには、心構えのあり方が大きく変わったわ、 というようなことを言っていたのを思い出す。NPもナースであるには違いないのだが、診断や治療の上での意思決定に大きくかかわる分、患者さんに対するコミットメントの質は一般看護師とはやはり違うなとおもう。NPとしての思考過程、日々訓練やな。
たとえば血圧の上昇、尿蛋白などの所見から、「これは妊娠高血圧症候群の可能性が高いぞ。」とおもったとする。ほかの随伴症状の有無について確認する。ここまではとてもスムーズ。だがそこから先のプランニングで私はすごくぎこちない。24時間尿や血液検査の結果を見るのはしょっちゅうやっていたことがあるのに、それらをオーダーする側となると、とてもたどたどしい。
別の例としては妊娠中の頭痛。軽い頭痛ならセルフケアの方法を話し合うことで対応できる。けれど強い頭痛だったりすると、悩ましくなる。吐き気・嘔吐、目の症状、四肢の感覚異常など、症状が華やか(?)であれば迷わず「病院に行ってください」、と言える。そこまでの状態ではないけど、かといって大丈夫ですよとも安易にいいがたい状態のとき、迷う。病院に送るべき? それとも内科主治医の受診をすすめるべき? 今? それとも別のタイミングで? 画像診断は必要? 私がオーダーすべき? いや、私がオーダーしたところで、その結果を解釈できないだろうから、わたしはするべきじゃないだろう。ーーといった具合にぐるぐると考える。自分の中での結論が出てくるまでにとても時間がかかる。
エモリーの先生の1人が、一看護師という立場から、NPという一healthcare provider (医療提供者)になるのには、心構えのあり方が大きく変わったわ、 というようなことを言っていたのを思い出す。NPもナースであるには違いないのだが、診断や治療の上での意思決定に大きくかかわる分、患者さんに対するコミットメントの質は一般看護師とはやはり違うなとおもう。NPとしての思考過程、日々訓練やな。
2009年4月2日木曜日
無料ウェビナーの紹介
医療専門職向けの継続教育のプログラムはいろいろありますが、最近のわたしのお気に入りは、Association of Reproductive Health Professionals のウェビナーです。ウェビナー(webinar)とは、ウェブ上で行われるセミナーのことです。このサイトでは、リプロダクティブ・ヘルスに関する分野、つまりわたしの仕事に直結する内容のウェビナーに、無料で参加できます。ライブのウェビナーは事前に申し込みがいります。ライブなので、講義の終わりに講師に直接質問をすることもできます。ウェブサイトに質問を書き込むか、電話もしくはパソコンのマイクに向かってしゃべって質問するのです。過去のウェビナーはいつでも見ることができます。
先週は偏頭痛&避妊法についてのウェビナーを見ました。これがすこぶるよかったです。今日はHPV(ヒトパピローマウイルス)の話を聞きます。今始まったところ。
ウェビナーの予定表はこちら。
http://www.arhp.org/Professional-Education/Medical-Education-Opportunities/Webinars
先週は偏頭痛&避妊法についてのウェビナーを見ました。これがすこぶるよかったです。今日はHPV(ヒトパピローマウイルス)の話を聞きます。今始まったところ。
ウェビナーの予定表はこちら。
http://www.arhp.org/Professional-Education/Medical-Education-Opportunities/Webinars
2009年4月1日水曜日
インプラノンのトレーニング
今夕、インプラノンのトレーニングを受けにいった。インプラノンとは、上腕の皮下に挿入するタイプの避妊薬(プロゲステロン)。挿入から3年間有効。1998年以来、世界30カ国以上で使われ、250万人以上の女性に処方されている。日本ではまだ使われていない。受講者は近隣の医師2人とわたしの計3人だった。講師は近隣の医師。インプラノンの特徴、臨床治験のデータ、実際の取り扱い方について、ビデオ・講義・実習で学んだ。きょうもらった上腕のモデルはかなりの優れもの。(NP学生時代に縫合の練習に使った豚足も忘れがたいが。)
こちらが今日のトレーニングでもらった資料と練習キット一式。(クリックすると写真が拡大します。)

練習キットの箱を開けた状態はこちら。腕の模型など。

最後の写真は、患者さんにインプラノンの説明を使うときに使うモデル。Implanon という文字の下にある白い細い棒(4cm)がインプラノンの実物大。これが腕に挿入された状態がどんな感じか、肌色の部分を触るとわかる。

しっかり練習して本番に臨みます。
こちらが今日のトレーニングでもらった資料と練習キット一式。(クリックすると写真が拡大します。)
練習キットの箱を開けた状態はこちら。腕の模型など。
最後の写真は、患者さんにインプラノンの説明を使うときに使うモデル。Implanon という文字の下にある白い細い棒(4cm)がインプラノンの実物大。これが腕に挿入された状態がどんな感じか、肌色の部分を触るとわかる。
しっかり練習して本番に臨みます。
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