2010年7月8日木曜日

妊娠発見後の選択肢

予期せぬ妊娠を迎えた患者さんとは、3つのオプションについて話し合う。

その1.妊娠を継続し、赤ちゃんを育てる
その2.妊娠を継続し、かつ養子に出す計画をたてる
その3.人工妊娠中絶をする

言葉の使い方が大事。なるべく中立的な言葉を使うようにしている。

つまり、
その1. To continue pregnancy and parent baby.
その2.To continue pregnancy and make an adoption plan. (give up for an adoption みたいには言わない)
その3.Termination of pregnancy (abortion よりはtermination という言葉をつかう)

診察に来る時点で自分がどうしたいかかなりはっきりと決めている患者さんもいる一方で、月経が来ないなーとは思っていたけどまさか妊娠してるなんて!!!!という患者さんもある。心を決めていたつもりでも、気持ちは揺れていることも多い。だから短い診察時間中に患者さんの中で必ずしも結論が出るわけではない。

貧しい患者さんは、人工妊娠中絶にかかる費用がネックになって、妊娠を継続するほうがいい、という気持ちに傾いていることが結構ある。というのも、今現在健康保険がなくても、これから妊娠を継続する場合は 医療扶助の健康保険に入れるので、当面の医療費の心配はなくなるから。しかしそれだけの理由で妊娠継続を選ぶとしたら短絡的だろう。初期費用だけでなくて 長い目で見た経済的・身体的・精神的な負担&ベネフィットをも考えた上で総合的に考えられるヒントとなるような質問をなげる。

ベストな選択をするにあたっては、患者さん本人の価値観、宗教、パートナーや家族との関係などなど、いろいろなことがかかわってくる。

幸い妊娠に関する選択肢について無料で相談を受け付けてくれるカウンセラーを知っている。彼女の連絡先を患者さんに伝えることもよくある。

大きな町なので、人工妊娠中絶を行う施設はいくつかある。(田舎だとこうはいかない。)そのうちの1つの建物の前をときどき通るのだが、中絶反対派の人たちが中絶された胎児の写真を貼った大きなパネル(畳半分から3分の2くらいのサイズ)を持って建物の入り口に立ち、道ゆく人にビラをまいたりしている。手術予定の患者さんにとっては、結構なプレッシャーになりうると思う。単に通勤途中に通りかかる自分にとっても「人殺し」などと書かれたポスターが目に入るのは決して心地のよいものでない。

日本ではこのような社会からのプレッシャーみたいなのはあまりないと思うがどうか?中絶にたいする社会一般の見方が日本ではアメリカよりもずっと寛容というか。刑法上の堕胎罪は存在するものの母体保護法にそって実際に中絶を医療機関で受けることは難しくないし、施設の前で中絶反対派のアピールを目撃することもないだろう。(私の知る限り)

1 件のコメント:

  1. エモリーポスドク2011年3月23日 9:02

    突然のコメント申し訳ありません。
    2月末にアメリカに来て、
    現在エモリーでポスドクをしているものですが、
    妻の妊娠と保険について知恵を貸していただきたいことがあります。
    kurisin711@livedoor.com
    にメールしていただけませんでしょうか?
    凄く困っています。

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