どんな症状のどんな患者さんであっても、多かれ少なかれ不安を抱えているが、ことに大学生、大学院生の患者さんを見ていると、不安が症状以上に大きく膨れ上がって大変なことになっていることが少なくない。
インターネットでいろいろ自分なりに調べて、「あーー自分はこの病気に違いない。きゃーーー!」と恐怖におののいていることも。
診察して、説明・話し合いをいろいろして、患者さんのこんがらがった状態を丁寧にほどく。それでもなお、患者さんの不安のカタマリが、短い診察時間の中で完全に溶けきらないこともある。
そんなとき、わが同僚Aさんは患者さんにこう言うのだという。
"You let ME worry." 私が代わりに心配してあげる。私に心配をさせなさい、ということ。心配はここに置いて帰りなさい、ということ。
これには「オチ」つきのバージョンもある。
"You let ME worry. And you know what? I'm not worried."
(私に心配をさせなさい。だけどね、私は心配してないですよ。)
これで患者さんがふふっと笑えばしめたものである。
でもこれで突き放すのではなく、最後に
"If you're worried, I'm always here for you."
(心配なときは、いつでも私はあなたのためにここにいますよ。)
と、セーフティーネットを張って締めくくるところが、Aさんらしい。
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