2011年10月27日木曜日

男性に対するHPVワクチン接種

2日前、CDC(米国疾病対策予防センター)の予防接種に関する諮問委員会(ACIP)が、男児に対するHPVワクチン接種を推奨する判断をした。今までは女児にしか推奨していなかった。ACIPの決定をCDCが絶対取り入れないといけないわけではないが、ACIPが今回の決定をした意義は大きい。

ACIPは、HPVワクチンをルチーンの予防注射のひとつとして、11歳か12歳の男児に実施することを勧めている。なお、この時期を逃してしまった13-21歳の子にも接種してキャッチアップするよう勧めている。

女児に対してのキャッチアップは13-26歳までを対象に勧められているのに、なぜか男児に対しては対象年齢が狭められてしまった。

ACIPならびに今後のCDCの推奨は、保険会社がワクチン費用をカバーするしないの決定にも大きくかかわっているので、年齢のことはともかく、男の子にも接種推奨の動きがでてきたことは大歓迎。

男性は子宮がないので、子宮頸がんにはならない。だが、肛門がんや尖型コンジローマ(性器にできるイボ)などといったHPVがおこす他の病気にはなりうる。尖型コンジローマはがんにこそならないが、患者さんの精神的苦悩は無視できないものがある。診察や治療にかかる費用もばかにできない。中高生の子どもを持つお父さんお母さん、ぜひタイミング逃さず、子どもたちにこのワクチンを受けさせてあげてください。

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