2013年2月25日月曜日

患者さんの職業

クリニックの患者さんによく見られる職業について書いてみたい。
(統計をとっているわけではなく、あくまで私の感覚だけに頼った印象。)

ちなみに私が勤めている医療機関は、保険がない患者さんでも公費による助成金によって無料または低額で診察を受けられる(年齢、年収などの条件がいくつかある)ため、無保険の患者さんも多くみえる。

1. 看護助手
病院や老人ホームなどの施設に勤めている人だけでなく、在宅で患者さんと一対一で生活支援をしている人もいる。たとえば患者さんと一緒にスーパーに行ってお買い物をし、料理を作る手伝いをしているんだ、と話してくれた人も。食事の介助、清潔のケア、着替えの援助などにも忙しい。関連する職業として、病院内で患者さんの移動・搬送を専門にする仕事もある。

2. レストランのサーバー、バーテンダー
特に20-30代の人に多い。 バーテンダーさんはタバコを吸っている比率が高い。

3. クリーナー
オフィスビルなど大きな建物を担当している人は、夕方から朝にかけて働いていることが多い。そのため、睡眠や食事のタイミングが難しい。肥満の人が多い。夜通し運動しているため、それ以外の運動をする気力も時間もないという声がよく聞かれる。外国からの移民の人は、戸建の家の掃除を個人契約でやっていることが多い。ビザの問題とか、現金で収入が得られることなどが関係しているとおもう。

4. ファストフードレストランの店員
厳しいシフトで働いている患者さんも少なくない。

5. 美容師/ネイリスト
忙しく働いていても、福利厚生・保険がない患者さんが少なくない。

診察中に仕事とか学校のこととかちょっとでも聞けると、患者さんの生活のようすに大きく一歩近づける気がする。健康的もしくは非健康的に至る背景を私個人が理解するヒントにもなる。普段何をされているのかをちらっとでも聞くだけで、「○○歳白人女性」というようなのっぺらぼうな像から、「看護助手かつコミュニティーカレッジに通っているA
さん」という生き生きとした姿を私が想像することにつながる。(患者さんをもっと尊敬できるかんじ。)もちろん興味本位で根掘り葉掘り聞く時間はない。

たったひとこと「スクールバスの運転手」とか、大学生なら何の専攻かとか単語一個でもカルテに書いておくと、その患者さんのお顔や話を次のとき(下手すると1年以上あと)まで覚えていれたり(忘れてしまうことも多いが)、「学校のほうは最近どう?」とか聞けたりする。そういうのって、大事だと思う。

仕事しつつ、学校にも行きつつ、子どもも育てているというフルタイムx3倍みたいな患者さんもいれば、一方で医療扶助/生活保護にどっぷり浸かっているように見える患者さんもいないわけではない。エモリーのある先生の言っていた、「患者さんはみんな自分の置かれた立場でいま最善の行動をしている。」という言葉をまた思い出す。




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