2020年4月23日木曜日

仕事と命、どっちをとるか

このところ度々書いてきたが、COVID-19の猛威は子芋の住んでいる地域もやってきた。幸い州東部やニューヨークと比べれば格段に感染者が少ないとはいえ、今日までにアリゲニー郡でも1149人の感染が確認され、うち69人の方が亡くなった。

かれこれ6週間ほど自宅待機命令が続き、子芋の外来診療もオンラインビデオを通した遠隔診療が基本になった。クリニックでの診察・処置は最小限に抑えられている。

基本的に遠隔で働ける私などは極めて幸運な立場で、スーパーなど必須業種の仕事の人たちは命がけでの勤務、それ以外の多くの職種の人たちは失業。ペンシルバニア州だけでも150万人の人が失業保険の申請をしている次第。Community Food Bank の無料食料配給に1000台もの車が列をなして並ぶ光景は、本当に深刻だ。今まで安定した組織・会社に勤めていて、高給をもらっていた人でも、突然収入が途絶えたら、キャッシュフローが成り立たなくなる。生まれて初めてFood Bankに並んだ、という人も多いと聞く。

厳しい状況下でも、social distancing を頑張る人が多いなか、待ちきれずに州知事に早く州を「解放」してくれとデモに繰り出す人たちもいる。気持ちは分かるが、そうやって集まっている最中にCOVID-19をもらう・もしくは人にうつしてしまっては、仕事どころか命が危ない。そもそも、これまでのところ感染者が少なく推移できているのも、social distancing 厳守のたまもので、これをいつ、どう外すかで、第2波、第3波の威力が決まる。

一方、仕事と収入が途絶えた時の人間の気持ち、不安、も莫大である。COVID-19にかかってもいいから、とにかく仕事に復帰させてくれ、とまで思い詰める人もいると思う。そんななか、竜巻で家ごと失った人たちは、泣きっ面に蜂もいいところだ。

子芋にできることは、Community Food Bank をサポートすること。それから、目の前の(ビデオ通話なら、ビデオの向こうの)患者さんと家族のサポートをすること。ICUで超重症の患者さんを診ている医療者と比べたら微々たる活動だけど。それから、自分自身ががICU患者にならないように、日々自分ケアすること。

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