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2016年9月11日日曜日

読者からの質問:調べ方の調べ方

日本から海外に留学を希望される方は、まずどこから情報を集めたらいいのやら、で悩まれる場合が多いように思います。

体験者に話を聞く機会があれば手っ取り早いですが、これには注意が必要です。

  1. 個人的な体験がどこまで普遍的なものなのかはわからない。たとえ同じ国、同じ職業のひとであっても、各自の体験・意見は様々。
  2. 制度・事情・情報は常に変わっているので、体験者の話す内容は古すぎるかもしれない。
  3. 安易に人の情報を鵜呑みにしていると、「情報収集、集めた情報の吟味、それに基づく行動、その結果に基づく方向修正」、というサバイバル術(海外生活、留学生活にはともに必須)がともすると身につかないかもしれない
  4. 漠然とした質問には、体験者も答えようがない
ですので、まずは自分でできるところまで調べてみる、という姿勢がお勧めです。そうすると、何が明らかになって、何がわからないのか、自分自身がわかるようになりますので、体験者に質問する機会が、より有意義なものになります。

面倒な作業だということは、体験上、子芋も心得ていますが、やって損になることはありません。もし、途中で興味が失せたり、匙をなげたとしたら、それもよし、です。留学や外国での生活は、基本的に七面倒くさいことが常なので、便利で快適な日本にいたほうが、ずっとスムーズな人生かもしれません。

さて、

興味はあるけど、どこから始めてよいかわからん、という方の最初の情報集めとしては、ある程度情報をまとめてくれている書籍がよいスタートになると思います。

子芋がお世話になったことがあるのは、
日米教育委員会の出版している『アメリカ留学公式ハンドブック』、
http://www.fulbright.jp/study/service/index.html#book

日米医学医療交流財団が出版しているパスポートシリーズ
http://www.janamef.jp/books/

これらの団体は、ウェブサイトにそのほかの情報も載せていますし、セミナーなどもちょくちょく開催しているので、それらも役立つと思います。日米教育委員会の主催した、留学前のオリエンテーションのような会(すでに留学が決まっている人対象)に参加したことがありますが、よかったです。

他の国も、大使館のウェブサイトなどをみると、同様の教育・留学に関する情報へのリンクがあると思います。

中公新書の『アメリカの大学院で成功する方法ー留学準備から就職まで』は、2016年の今としては情報が古いところもあるでしょうが、いまだに変わらないところもおそらくあるので、参考にはなるでしょう。今手元にないので、覚えている範囲で書いています。

同様に、南山堂の『アメリカ看護留学への道』も古い本ですが、情報収集のひとつとしては、とても参考になると思います。


2016年9月10日土曜日

読者からの質問:助産師の留学の前に一案


日本で助産師として活躍する方から留学に関する相談を受けました。助産師としてさらに研鑽を積もうという方には、留学先として果たして米国がいいのか、吟味なさるとよいと思います。米国がいかん、と言いたいのではなく、なぜ米国を選ぶのか、考える意味があると思うのです。

もし、視野を広げること、が主目的であれば、必ずしも留学しなくても、できることがあります。たとえば、3年に一度開かれる国際助産師連盟(ICM)のカンファレンスに参加してみると、主催国のみならず、各国からの参加者との交流が図れますし、何が話題となっているかをいろいろと垣間見ることができます。

子芋は日本での助産師時代に、同僚とオーストラリアのブリスベンで開かれたICM大会に参加しました。そこで何かを発表したというわけではなく、単なる一参加者でしたが、おもしろかったですよ。

参考まで~

2016年9月4日日曜日

読者からの質問:学生の時にしておくといいこと

読者SIさんからの質問のつづき

4. 現在、学部3年で、卒業後はworking experienceを稼ぐため(カナダだと1125時間の母国での実務経験が必要なので)に3年ほど臨床で働きながら、留学の準備を進めたいと考えていますが、現時点でできることや、やっておいたことがいいことなどはありますか。

1.アンテナをはっておく
メディア、学校の掲示物、自治体の広報誌などを関心をもって見ていると、面白そうな講演会、ワークショップ、奨学金、コンサート、ボランティア募集、そのほかいろいろなものが引っかかってきます。自分の予定が許せば、(あと会費が無料もしくは安ければ)そういうものに参加してみると、自分の視野が広がります。

2.自分ケア
一定した睡眠の量と質の確保、健康的な食事、休息、運動ーーーいまも、これからも、ずっとだいじ。日本の文化で育って、何はなくとも頑張ってしまう人間には、体を休めること、緩めることをあえて教えないといけないかもしれません。ヨガ、太極拳、など、ゆっくり系の運動をもっと早くからやっておくんだったと子芋は思います。体を休める・ほぐすことは、子芋にとってまだまだ課題です。

3.名刺
自分で印刷してカッターで切っても構わないので、名刺を作ることをお勧めします。住所は入れなくて、名前とメールアドレスだけでもよし。これは、自分の名を売るためではなく、他の人の名刺を手に入れ、keep in touch するためのツール。1.で参加した会で、講師や他の参加者と名刺を交換し、感想をはがきやメールで送ってフォローアップすると、自分のネットワークが広がります。子芋は学生時代にこうして知り合った人たちと、かれこれ20年以上付き合いがあることも。

4.お金はできれば貯めておく
活動(1.で述べた)のためにお金は必要なことがあります。無駄はせず、切り詰めるところは切り詰めておくと、やりたいことが出てきたときに、ためらわずお金が使えます。

お弁当を作り、飲み物もお茶や水を常に持参するようにすると、着実に飲食費は減らせます。経済貢献は、毎日コンビニ通いの友達にまかせ、野菜たっぷりの弁当をばくばく食べましょう。ただし、切り詰めることがすべてではないので、忙しくて食事を作れないときは、ためらわず、外食やお惣菜を利用してよし。食べないことはかえって不健康。

時間やクオリティーをお金で買えるときは賢くお金を使うという考えは学生の時はなかなかできないこともありました。(例1:荷物をロッカーに預けたほうが次の2-3時間疲れずに過ごせるときは、惜しみなくロッカーを利用する。当たり前? 子芋は300円が出せなかったことがありませひた。例2:旅程や体力を吟味したうえで、夜行バスにすべきか、新幹線にすべきか、飛行機にすべきか考える。昔の子芋は金額面で節約することに頑張りすぎたあまり、体を酷使したことがあって、今思うとバランスがとれていませんでした。)

5.パワーポーズ
大事な場面では、ガッツポーズなどのパワーポーズをとって心を整えましょう。トイレの中で人知れずやってもよし。次のTED Talk おすすめ。
https://www.ted.com/talks/amy_cuddy_your_body_language_shapes_who_you_are?language=en

2016年9月3日土曜日

読者からの質問:大学院をどのように選択したか

読者SIさんからの質問、3つ目。

3. まず、Women's health NP 取得のために、Emory Univ. へ行かれたとのことですが、大学院はどのように選択したのでしょうか。

子芋がそもそもWHNPについて知ったのは、大学2年時にNational Association of Nurse Practitioners in Women's Health の当時の会長の講演を大阪で聞いたときでした。

数年後、助産師として東京で働いていた時に、この会長さんあてに手紙を書きました。数ある大学の中で、どうやって選んでいいかわからん、と。すると3つのプログラムを挙げてくださいました。そのうち2つに応募し、幸い両方受かりました。プログラムはとても類似していて、資料やウェブサイト上は甲乙つけがたいものがありました。オープンハウスに出かけたところ(たまたま1週間違いで開催していたため、両方に行けました)、Emoryがベストだと確信し、Emoryに決めました。

他には、東京の溜池山王か赤坂あたりに、米国の大学・大学院の資料を置いている資料室のようなところがあって、今となってはその名前も思い出せませんが、そこに行って、専攻ごとのリストをコピーしたりして、そのあと個々のウェブサイトに行って調べたりしました。

たぶん、ここが子芋の行った資料室だと思います。
https://americancenterjapan.com/access/
留学が決まった後で日米教育委員会のオリエンテーションにも行った記憶があります。
http://www.fulbright.jp/study/index.html

2016年9月2日金曜日

読者からの質問:NCLEX対策

ブログ読者SIさんから頂戴した質問の2つ目です。大変お待たせしました。

2.NPのプログラムを専攻するにはNCLEXを受験しなければならないと思うのですが、その対策はどこでどのように行ったのでしょうか。

基本的に自習しました。
私の場合、NCLEXの前に、CGFNSを受けなければならなかったので、まずはCGFNSのCertification Examの問題集を買いました。問題を解くと(解こうとすると)、自分の現レベルが認識できて、医学英語の語彙を増やさなきゃな、と思いました。

飯田恭子さんの書いた医学英単語シリーズは、私にとって使いやすかったです。3-4冊彼女の著作を買って、リング付きのカードに書いて覚えました。

医学英単語が理解できると、CGFNSやNCLEXの問題で何を聞かれているかがやっと分かるようになりましたが、こんどは選択肢の中から正しい回答が選べるように、看護の知識が必要となります。

Incredibly Easy というシリーズがありまして、シンプルな英語で書いてくれています。今となっては、数あるシリーズのどれを持っていたのか忘れてしまいましたが、雰囲気はこんな感じでした。

Kaplanの問題集も1つはやりました。これまた具体的なタイトルは忘れましたが、こんな感じ。

Kaplan の予備校というか、今ではオンライン学校?もあるようですが、私の予算には見合わなかったので、使いませんでした。

CGFNSの試験は東京で受けた一回目は見事に落ちて、2回目は香港に行って受けて受かりました。(そのとき東京会場がなかった。)

できればCGFNSのCertification Program(CP) の試験 を避けて、Credentials Evaluation Service (CES)だけで済むようにすると一つ難関が減ると思います。たとえば、自分が行きたい州のBoard of Nursing がたとえ Certification Programを課しているとしても、CESだけで済む別の州に出願してRN資格をとり、その後endorsement の手続きをして、目的の州のライセンスをとる、とか。私はこんな方法は思いつきもしなかったので、当時ジョージア州のNCLEX出願に必要なCP を大真面目に受けました。CP のために送っていた資料は、後々CES にも使えたので、まったく無駄になったわけでなありませんが、お金はCESにも一人前にかかったので、なんとなく悔しかったです。CESはペンシルバニア州の免許をendorsement の手続きでとるときに必要でした。

なお、CGFNSの手続きはとても時間がかかるので、たとえCESだけだとしても、必要な場合はなるべく早くやることをお勧めします。

2016年7月29日金曜日

読者からの質問:NP取得後のプランについてどう考えていたか・ビザと就職活動

こちらは、最も最近ブログコメント欄を通してSIさんからいただいた質問です。3つあった質問のうち、今日は1つめ。

NP取得後のプランについては日本にいた時はどのくらい考えていましたか。また、Visaの問題もあって、就職するのは容易ではないと聞いたのですが、実際のところはどうなのでしょうか。

[子芋のお返事]

注意:下記は読者の責任でお読みください。あくまで参考になさってください。子芋の書いた内容を鵜呑みにしてなにかトラブルがあっても、子芋は責任を持ちません。

留学する前は、NPプログラム終了後は日本に帰国する予定で、かといってどこでどのように働くという具体的なプランはありませんでした。また、NPライセンスの試験を受けるかどうかも決めていませんでした。

実際入学して学んでみると、あらまぁ、こんなに知らなかったことが分かるようになった、できなかったことができるようになった、という気持ちになりました。そんな折に、留学生センターで Optional Practical Training (OPT) についての説明会があり、ま、どうせやることはないだろうけれども、話だけ聞くのも悪くなかろう、と行ってみました。

OPTは米国の大学や大学院を卒業した外国人が、自分の専門分野に関連した仕事につく場合、学生ビザのままで1年間働くことができる制度です。

帰ってきてとまとまんに内容を報告すると、「一旦日本に帰国したら、こんなチャンスは二度とない。やってみたらいい。」という意外な回答で、帰国&同居を楽しみにしていた子芋は一瞬とまどいましたが、とまとまんがそういうなら、一発やってみるか、と腹をくくりました。

当時OPTの開始時期は、卒業後60日以内で、有効期間はそこから1年でした。(当時から8年もたつので、今も同じかはお確かめください。)

卒業後、成績証明書・卒業証明書が揃うまでに少なくとも1-2週間、それからNPの試験に出願して受験資格が認めらたと通知がくるまでに数週間、それから試験を受ける日を決めて、実際に試験を受けて、合格通知が来るまで待って、それから州のBoard of Nursing に登録して・・というだけで2ヶ月半くらいかかりました。最短コースで頑張っても。この間にすでに子芋のOPT期間は始まってしまいました。

OPTは仕事を一定期間以上しないでいると資格を失ってしまいますので、わたしはボランティアという形でクリニックに勤めつつ、就職活動を続けました。ボランティアでも、いちおうOPT資格維持は認められました。しかし、報酬を伴う仕事をしていない時点で国外に出るのは非常にリスクとの助言を受け、日本への一時帰国は正規の仕事が決まってからにしました。(米国を出るのはいつでも簡単ですが、再入国のときにトラブルかもと。)

就職活動に当たっては、OPTだけやらせてください、と言って雇ってくれるところを探すのは難しいですから、OPT期間終了後はH1Bビザ(就労ビザのひとつ)で仕事を続けたい旨を話し、ビザサポートをお願いしました。(会社が 書類を政府に提出する必要があります)。

10月にジョージア州のNP免許がいよいよ取れたころ、最初の就職先となるペンシルバニアの組織と、サウスカロライナ州の別の組織からコンタクトをもらい、11月の頭あたりに面接を受けて、11月後半にペンシルバニアのほうの仕事のオファーを受け、12月に一旦一時帰国ののち、ジョージア州からペンシルバニア州への引っ越しをし、翌1月から働き始めました。(と、書くとたったの数行ですが、この中にいろんな失敗やら涙やらが詰まっています。)

H1Bは毎年人数枠があります。4月1日締め切りで、通ればその年の10月1日からそのビザが有効になります。通常は4月1日時点で人数枠を超える応募があるがために、応募しても通らないということがありましたが、2009年の場合は、不況のためにビザを申請する会社が少なく(希望する外国人は依然多くても、ビザサポートしてくれる会社が激減したために、ビザ申請数も激減) 、 4月1日以降に申請しても十分間に合っただけでなく、応募すればもれなく(たぶん)H1B 獲得にいたったそうです。

子芋は2008年8月に卒業、翌2009年1月からフルタイムで就職、そして4月のH1Bビザの締め切りなんとか間に合うことができましたが、卒業の時期によっては、この「4月」というタイミングが非常に難しく、就職先を獲得する前にOPTの期限が来て帰国せざるをえないということも決して珍しくありません。OPTの期限が切れる前に、博士課程などに進学して新たな学生ビザを獲得した仲間もいます。

ちなみに、4月にH1Bに応募して、10月に実際にH1Bビザが有効になるまでの間に、8月のいつかの時点で子芋のOPTは切れたわけですが、代わりに労働許可証なるものが発行されたおかげで、F1ビザ(学生ビザ)とH1Bビザのはざまも合法的に米国で仕事を続けることができました。この間、子芋の運転免許証は頻繁に更新が必要でした。(運転免許証の期限日は、しばしばビザの期限と同じになります。)

OPT資格の申請は、H1Bの申請と比べると、手間も費用も格段手軽ですが、就職活動はアメリカ人と同じ土俵でしなくてはなりません。「新卒」かつ「外国人」かつ「ビザサポートがやがて必要」という状況は、分野にもよると思いますが、一般的に非常に不利です。

またH1Bの人数枠や条件等もその年によって変化します。不況のときは応募者が減るので、応募すれば枠に入れるチャンスが大きいですが、不況ゆえにそもそも採用を控える雇用者が多くなるので、採用してもらうこと自体が難しくなります。逆に好景気のときは、採用したい雇用者が増えてくれるのはいいのですが、H1Bに応募しても枠漏れするリスクがあります。大学教員や特殊な専門分野にいる場合は、人数枠の縛りがない場合もあるようです。

前にも書きましたが、ビザ制度は頻繁に変わりますし、そのときの政権の方針や経済の状況で予測のつかない事情もいろいろ起こりえます。今回書いたことは主に私の2008-2009年時点での知識を基にしていて、その後の変更時点についてはは心得ていませんし、間違いもあるかもしれません。

ビザについては米国大使館、USCIS、Department of State などのウェブサイトでご覧になるとともに、 専門の弁護士に相談するのが近道です。子芋がお世話になったことのある弁護士のウェブサイトをご紹介します。弁護士のサービスは、必ずしも対面しなくても、電話やSkypeやメールなどを通して受けることができます。とりわけビザ関連の法律は、州法ではなくて連邦法、すなわち全州共通なので、どの州に住んでいる弁護士であってもかまいません。
http://www.kandilawyers.com/jp/index.html
http://kandilawyers.blog124.fc2.com/

さいごに、
子芋の持っている知識のベストを尽くして、この記事を書きましたが、冒頭にも書きましたように、内容の正確さには責任を持てませんので、ご自身の責任で参考になさってください。

2016年7月28日木曜日

新しいラベル「留学やビザに関して受けた質問」

内容はともかく、ブログの歴史が長くなってきたこともあってか、時々NPやPAになりたいと考えている方から質問をいただく。喉から手が出るほど情報がほしかった気持ちを覚えている分、子芋はついつい気合をいれてお返事する傾向にある。

でも、その都度書くのは実はとても大変。とても時間がかかる。必ずしもみなさん同じ質問ではないし。

なので今回、「留学やビザに関して受けた質問」という新しいラベルを作った。(内容はこれから。)書いた内容が同様の質問を持っているほかの方の役に立てばうれしい。

英語の勉強に関する質問は、「英語の勉強」のラベルをご覧くだされ。