2017年2月1日水曜日

Mirena と Skyla の姉妹、Kyleena

「新しい」IUS (プロジェスティンを放出するタイプの子宮内避妊システム)として売り出すのはどうかと思うが、バイエル薬品が米国内で展開しているにIUSに Kyleena(カイリーナ)が昨秋加わった。

従来のMirena, Skyla と合わせて3姉妹に例えると、

長女:Mirena(日本語名はミレーナ、米国での発音はマイリーナ)。Levonorgestrel 20㎍/日。妹たちよりも、月経量・頻度を減らすのが得意。1年後の無月経率は20%。(全体として月経は軽くなるのだが、5人に1人は月経がなくなるほどに軽くなるということ。)添付文書上の使用期間は5年間まで。(実際は6年は効果あり。)

次女:今回加わったKyleena(カイリーナ)。Levonorgestrel 17.5㎍/日。1年後の無月経率は12%。添付文書上は5年間まで使えると書いてある。インサーターの細さはSkylaと同等とのこと。子芋はまだ使ったことがない。

三女:Skyla (スカイラ)Levonorgestrel 14㎍/日。1年後の無月経率は6%。つまり、月経量・頻度は減っていても、無月経になるほどにまで減る人は少ない。添付文書上は3年間までの使用。


子芋の個人的な姿勢:

  • 患者さんが特別にSkylaをリクエストしない限り、IUS希望の方には、出産経験にかかわらず、基本的にMirenaを勧める。より長く使えるし、スポッティング(少量の出血)の頻度が一番すくないから。とくに、月経量・月経痛のコントロールをはかりたいときは、Mirenaを第一選択にすすめる。
  • しかし中にはMirenaのインサーターだと内子宮口がどうしても通りにくいことがあり、その時にSkylaに急きょ持ち変えると、さっきまでの抵抗がウソのようにするっと入ることがある。
  • そういう場面にKyleenaがあれば、Mirenaほどの月経抑制は期待できなくても、5年は使えるし、スポッティングもSkylaほどは頻繁でないと期待できるので良いと思う。
3ついずれも費用的にはたぶん大差ないと思われる。現在のところ医療保険はIUD・IUS費用をカバーするよう基本的に義務付けられているので、患者さんにとっては、どれを選んでも費用は発生しないはずである。(トランプ政権では、今後どんな改悪がなされるかも分らんが。)

患者さんが自費でIUSを希望している場合は、もう一つ別の会社から出ているLilettaのほうが価格面でのメリットが期待できそうだ。




0 件のコメント:

コメントを投稿