しかしながら、学校がどこまで実習先の確保に力を貸してくれるかという点にはばらつきがある。学校側がほとんど探してくれるところもあれば、学生側が責任を持って自分で探さないといけないところもある。
子芋の場合、Emory時代は前者であった。日本からポンと飛び込んだ自分に、先生が実習先を確保してくれていたのは、今思っても、本当に恵まれていた。
先日卒業したUniversity of Massachusetts Boston の場合、全米から学生がオンラインで「登校」しているということもあり、学生自身が責任をもって実習先を探すというのが、最初から明確になっていた。
仕事を通した関係やら、上司や同僚のツテなど、いろいろなルートを駆使してもなお、実習先の確保には非常に苦労した。成人のプライマリーケアの実習先にあたっては、40-50人にアプローチした。
なので、学生からプリセプターのリクエストがあった場合、子芋は断らない、というか断れない。ただし、子芋の今の働き方(週25時間)、かつ計8か所のクリニックに行くというスケジュール(通勤に車で最長1時間)、また思春期・青年期クリニックという特徴がら、患者さんの年齢が主に9歳くらいから上は26歳まで、というユニークな領域なので、それについてあらかじめ説明する。
子芋との実習は、月経にまつわるトラブルの対応やIUD・インプラントの管理も含め、リプロダクティブ・ヘルスに関するケアが豊富なので、Women's Health あるいは 小児科実習の「一部」としてはよろしいが、決してWomen's Health あるいは小児科実習の時間割り当ての「全部」を子芋のところで過ごすのは不適切、とも説明する。
だってそうでしょう、Family Nurse Practitioner の学生が妊娠期や産褥期や更年期のの患者さんをまったく診ずに実習を終えてしまったり、Pediatric Nurse Practitioner の学生が、一般小児科の実習をせずに卒業したら、それは大問題。
このような点をクリアに説明すると、大方の学生は大した返事もよこさず逃げていく。基本的なメールや電話のマナーにかける学生が多くて閉口する。自分がプリセプター探しに本当に必死であったため、マナーの悪さに余計に唖然とする。
子芋が学生に求むマナー:
1)まるでスパムメールのようなメルアドからではなく、学校もしくは職場のオフィシャルなメールアドレスからメールすべし。
2)プリセプターのレズメ(履歴書)を要求する前に、まずは自分のレズメを最初のメールに添付し、自己紹介すべし。
3)いくら私の個人情報をNP団体のウェブサイトから得たとしても(メンバー同士は情報が見られる)、それをかくかくしかじかと説明すべし。
4)いきなり個人携帯にテキスト(携帯メール)してこない
5)もらったメールには24時間以内に返事をする。興味がないなら、そう伝える。
6)メールの口調はいつも丁寧に。
子芋が学生に勧めたい、実習先確保のコツ:
1)地元のNP団体に所属する
2)地域・州のNP団体の学会・勉強会に積極的に参加し、顔のつながりをもつ
3)たとえ必要な実習時間が20時間でも300時間でも、その時間「丸ごと」を依頼するのではなく、あえて「some hours」をお願いできないか尋ねる。子芋の場合も、小児科実習300時間のうち、約1/3をAさんに、1/3をBさんに、残る1/3 をまた何人かのピンチヒッターに割り振ることで、一人当たりのプリセプターの物理的・精神的負担感を減らした。
以上、学生の立場で実習先確保に苦労した経験と、プリセプターの立場でもどかしく思う経験からの おぼえがき。
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