今日づけで、アメリカ国内の健康保険は、利用者の個人負担なしに避妊薬の費用をカバーすることが義務づけられた。これはAffordable Care Act による変化の一環だ。かなり歴史的にも重要な意味をもつとおもう。
一部例外は
・宗教関係の雇用主にたいしてはこの先1年はまだこの変化が免除(?)されているので、例えばカトリック系の病院とか学校で働いている人たちはまだ恩恵を受けられない
・保険の契約時期によっては、次の更新時期がくるまでこの変化は適用されない。
・そもそも現在無保険の人にとっては、昨日も今日も、変わらず避妊薬は自己負担
避妊薬の無料化とあわせて、次のようなことも無料で提供することが健康保険会社に課されることとなった。well-woman visit (いわゆる女性むけの年次健診)や性感染症に関するカウンセリング、HIV検査、母乳育児に関するカウンセリング、搾乳機などの物品、ドメスティック・バイオレンスに関するカウンセリングなど。
私の日々の仕事にとって重要なのは、健康保険会社が避妊薬のカバーをどのように実際運用してくれるのか、というところである。というのも、避妊薬の負担にかんして"flexibility"が許されているので、必ずしもすべての避妊薬がカバーされる訳ではないのだ。
世の中の人は、「わーーい、これでどんなピルでもタダなのね。」と思ってしまいがちだとおもうが、現実的にはジェネリック薬は自己負担なしでも、ブランド薬は自己負担あり、とかそういう話は頻発するだろう。
それからメディケアなど医療扶助系の保険の患者さんはまたちょっとちがう。たとえばペンシルバニア州の場合、8月13日づけで preferreed drug と non-preferred drug のリストが更新される。とてもややこしいことに、いままでカバーされていたジェネリック薬がカバー外になったり、あるブランド薬はカバーされるがそれのジェネリックはカバー外といった不可解な状況が起きている。これから1−2ヶ月は、患者さんからの電話問い合わせの対応に大わらわとなることが予想される。
というわけで、避妊薬の無料化とは言ったものの、なかなか現実は複雑である。
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